登山をやっていてクライミングに幅を広げた人の多くははじめは登山用のザックでクライミングをしていると思います.ですが登山用のザックではアルパインクライミングをはじめとするマルチピッチクライミングをやるにあたって使い勝手が悪い部分もあります.
今回はクライミング用ザックの選び方とおすすめクライミングザックのpatagonia製アッセンジョニスト35を紹介していきます.
目次
クライミングザックと登山用ザックって何が違うの?
「クライミングザックというけれど登山用ザックとに何が違うの?」
そう思う人は多いと思います.クライミングザックと登山用ザックの違いは次の2点に集約されると思います.
- 頑丈かつ軽量
- 必要十分な機能性
1.頑丈かつ軽量
通常の登山用ザックと同様に岩や木にあたったり,水にぬれたりなどザックにかかる負担は大きく感情であることが求められます.クライミングにおいては一般登山よりもザックにかかる負荷はさらに大きいかもしれません.
さらにクライミングでは登攀をスムーズにするため少しでも重量を軽くする必要があります.そのためクライミングザックは頑丈さを維持しつつ軽量化も目指さなければなりません.
2.必要十分な機能性
クライミングザックは頑丈かつ軽量を目指すためにポケットやバンドなど不必要な装備は一切ついていません.またヒップベルトも簡略化されていることが多いです.軽量化のために余計なものは取り除かれています.
一方でピッケルホルダーやアイゼン止め,ハイドレーションシステム等の必要な装備は一切に手を抜いてはいません.
このようにクライミングザックは必要なものはしっかり搭載し,不要なものは取り除いたシンプルなつくりになっていることが多いです.
パタゴニア製アセンジョニスト35
「ascensionista」はスペイン語で登山家を意味します.アセンジョニスト35は35Lザックでアルパインクライミング用のザックです.
日帰りのアルパインクライミングでももちろん効果を発揮しますが,何よりもベース型のアルパインクライミングの時に非常に使い勝手のよく大満足のザックです.
以下でアセンジョニスト35の製品情報と実際に使用してみた感じを紹介していきますがアセンジョニスト35が特におすめできるのは以下のような方です!
基本性能
- 用量 35L+α
- 重さ 890g
- 大きさ 65×31×14cm
- 素材
- 本体 420デニール・ナイロン100%。
- 裏地 200デニール・ポリエステル100%。
- 耐久性と耐水性を高めるポリウレタン・コーティング済
- 機能
- 内側および外側ポケット
- ピッケルホルダー
- ロープ運搬システム(取り外し可能)
- コンプレッションストラップ(取り外し可能)
- フレームシート(取り外し可能)
- 価格 23650円
他のクライミングザックとどこが違うの?アセンジョニストをおすすめする点
- 極限までの軽量化
- ハーネスに干渉しないヒップベルト
- アタックザックとして持ち運び可能な柔軟性
1.極限までの軽量化
なんといってもアセンジョニスト35の一番の特徴はその軽さでしょう.
アルパインザックとして人気のあるブラックダイアモンド製のスピード(40L)は1210g,ミレー製のプロライター30+10でも1010gあります.そんな中,アセンジョニスト35は890gと一桁違います.さらにフレームシートやコンプレッションストラップを外すことで更なる軽量化が可能です.
軽量化していますが丈夫さは他のザックに負けていません.生地の厚さは本体420デニール,裏地200デニールと前二者と変わりません.そのためアセンジョニスト35は頑丈かつ軽量というのをもっとも体現したザックでしょう.
2.ハーネスに干渉しないヒップベルト
ザックを背負いながらクライミングをする際に気になるのはハーネスとの干渉です.ハーネスの上からザックのヒップベルトを巻くことになりギアが取り出しにくくなるのはよくあることです.
アルパインザックの多くはハーネスと干渉しないようにヒップベルトを取り外しできる構造になっています.しかし,取り外せばギアは取り出しやすくなりますがザックを背負ったときに肩にかかる負担が大きくなります.
アセンジョニスト35のヒップベルトは取り外せるのはもちろんですが,ハーネスに干渉しにくいような構造になっています.一方で腰の保持力はしっかり保てておりザックを背中で背負うことが可能です.
3.アタックザックとして持ち運び可能な柔軟性
最後のポイントとしてフレームシートを抜くことでコンパクトに収納できる点があります.
アルパインクライミングをする際にベースキャンプにテントを張ってそこからアタックをする形でクライミングをする場合があると思います.その際にテントやシュラフ,食器などの幕営具を運ぶための縦走用ザックとアルパインザックを分ける方がクライミングの負担が少ないでしょう.
アセンジョニスト35はフレームシートを抜くことで折りたたむことができ縦走用ザックのスペースをとることなく持ち運ぶことができます.フレームシートが取り外せないタイプではアルパインザックを縦走用ザックの中に入れるととてもかさばります.
気になる点
ここまでアセンジョニスト35のおすすめできる点を紹介してきました.しかしどんなザックにも欠点はあります.ここでは少しだけアセンジョニスト35の欠点についても触れていきます.
①天蓋(あまぶた)がない
アセンジョニスト35には天蓋がありません.昨今のアルパインザックには天蓋がないタイプも多くなってきました.アセンジョニスト35では天蓋部分にザイルや衣類などを挟むということができません.しかし代わりにベルトによるロープ運搬システムが備わっておりこれが十分役に立ちます.
②フレームシートを抜くとザックが丸まりやすくなる
アセンジョニスト35はフレームシートを抜くことで軽量化や折り畳みができるようになります.この点が他のザックとは異なります.しかしフレームシートを抜くことでザックが丸まりやすくなりすこし背負いにくく感じる人もいるかもしれません.ちなみに筆者はフレームシートを抜いても問題なく背負えています.
まとめ
以上アルパインクライミング用のザックのポイントとおすすめアルパインザックであるアセンジョニスト35の紹介を行いました.
- とにかく軽量化していきたい!!
- 縦走用ザックの中に入れてアタックザックとして使いたい!!
- シンプルなアルパインザックが欲しい!!
こういうザックが必要な人はぜひアセンジョニスト35を検討してみてください.
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