山小屋泊はしたことあるけど,テント泊もしてみたい!
でも不安もあるし何から準備したらいいかわからない!
登山道で身の丈ほどもある大きなザックを背負っている人とすれ違ったことはありませんか?彼らはおそらくテント泊の登山者でしょう.稜線のテント場まで自分でテントを荷揚げしてそこで幕営し山頂までアタックする.そんなテント泊にあこがれたことはありませんか?
本項ではテント泊の魅力をまとめつつ,実際にテント泊をするにあたって必要な装備は何なのかをまとめていきます.
山小屋泊まりとテント泊って何が違うの?テント泊の魅力は?
山小屋泊は山小屋に泊りますが,テント泊では自分のテントにとまります.山小屋泊にも魅力はありますが,テント泊には山小屋泊にない魅力があります.
テント泊のメリット
テント泊のメリットの一番のメリットは自分のテントに泊まれるということでしょう.そこは自分の空間で他人に気を使わなくてもいい空間です.また時間の制約もなくなります.ご飯の時間になれば自分の食べたいものを調理する,食事の支度もテント泊の醍醐味でしょう.
最近は登山ブームもあり事前に予定を立てておかないと山小屋の予約が取りれないこともあります.そんなときテント泊であれば思いついたときに山に行くことができます.またバリエーションルートや冬山など小屋がない場所,あるいは小屋が開いていない季節に山に行こうとした場合にはテント泊でなければ泊りで行くことができません.
テント泊は経済的でもあります.もちろんテント購入などの初期費用はかかりますが,テント場の使用料は山小屋の宿泊と比べるとはるかに安いです.合計4-5泊もすればテント代のもとは取れるでしょう.
テント泊で行くバリエーションルートについて紹介しています↓↓↓
テント泊のデメリット
一方でテント泊をする以上,山小屋に泊まるとき以上に自分のことは自分でやらなければなりません.テントを持ち上げるのも自分,食事を持ち上げるのも自分,食事の支度をするのも自分,水を調達するのも自分(山小屋で購入できることも多いですが),そのようなでテント泊のデメリットも十分に知っておく必要があります.
テント泊のメリット・デメリットはわかりましたね.次はテント泊で必要な装備について紹介していきます.
テント泊で必要な装備って何?何を買えばいいの?
テント泊では日帰りや山小屋泊登山で必要な装備に加えて幕営するための装備が必要になってきます.ここではそれらの装備を紹介していきます.日帰りや山小屋登山で必要な装備は下記でまとめています.
テント編
テント泊で何よりも重要なのは当然のことながら居住環境であるテント周辺です.
テント・ポール 【必須】予算 40000円~
登山用のテントに求められるものは軽量かつコンパクト,さらに稜線の風雨にも耐えられる頑丈さです.一般的なアウトドア用のテントと比べて特に持ち運びに優れているのが登山用テントの特徴でしょう.登山用テントを扱っているメーカーはアライテント,モンベル,ファイントラック,ヘリテイジ,ダンロップ...などたくさんあります.実際に登山用品店にいってみてみるのもいいかもしれません.テントの選び方については別項を参考にしてください.
またテントを購入するとポールがセットになっていることがほとんどです.またものによってはペグやフライシートもセットになっている場合があります.
ペグ
ペグはテントを張るときに使う金属製または竹製の道具です.テントが風で飛ばないようにテントについている張り綱に結んで地面の中に差し込みます.岩があるようなテント場では必須ではなくペグの代わりに岩を結んでおく場合もあります.
フライシート 【必須】予算 10000~20000円
フライシートはダブルウォールテントでテントの上からかぶせるシートです.山で見かけるテントのほとんどはダブルウォールテントでありこのフライシートを使用しています.
ダブルウォールテントの素材は結露を減らすため撥水生地になっているため雨が降ると浸水してきます.そこで防水生地でできているフライシートを上からかぶせるのです.そうすることで防水透湿性を保ち快適に過ごすことができます.また冬には雪山用のフライシートを使用することで一つのテントを一年中使用することができます.テントに合ったものを選びましょう.
グラウンドシート 予算 10000円
グラウンドシートはテント本体の下に敷くものでテントの汚れを防いだり,保温に役立ったりします.グラウンドシートを使うことで快適に過ごせますが必須の装備ではありません.
テントマット 予算 5000円
テントマットはテントの内側の床面に敷く1-2mm程度のスポンジ製のマットです.銀マットともいわれます.テントマットを使用することで保温性が良くなったり,床面の凹凸を軽減したりして快適に過ごすことができます.
睡眠編
テント泊では山小屋と違って冷えの影響を強く受けます.冷えは放射冷却の影響もあって夜から明け方に特に強くなります.睡眠環境を適切に保つことは体力の回復につながり翌日の行動効率も向上することでしょう.
シュラフ(スリーピングバッグ) 【必須】予算 20000~50000円
シュラフはスリーピングマットとも寝袋のことです.ナイロン生地の中にダウンまたは化学繊維が入っており保温性を保ちます.ダウンや化学繊維の量によって保温性が変わるため,夏用,スリーシーズン用,冬用などにわかれます.一般的にダウン性の方が保温性が高く,コンパクトに収納できますがその分高価になります.夏山とはいえ標高が上がると夜は冷えるため必須の装備です.
スリーピングマット 予算 5000~20000円
スリーピングマットは寝るときに体の下に敷くマットです.樹脂製や中に空気を入れるエアマットなどがあります.夜寝るときは背面はダウンがつぶれて保温性が低下するため代わりにスリーピングマットで保温します.エアマットは小さく収納でき保温性もよいですが穴が開くと保温性が失われたり値段が高かったりなどします.
シュラフカバー 予算 10000~20000円
ダウン性のシュラフは水にぬれると保温力が低下します.テント内では夜間に結露することもあり結露によってシュラフが濡れることがあります.シュラフカバーはダウン性シュラフの防水性を保つためにシュラフの外側を覆うように使用します.
↑↑↑
ファイントラックのシュラフカバーは非常にコンパクトにまとまりとてもおすすめです.もちろん機能的にも十分すぎるものを持っています!
食事編
テント泊では自分で食事の用意をするのも醍醐味のひとつです.本格的な料理をするもよし,インスタントにするもよし,フリーズドライにするもよし,いろいろな選択肢があります.いずれにせよ食事を作るには火であったり食器であったりの装備も必要です.
コンロ(ストーブ)
コンロにはガスコンロとガソリンコンロの2種類があります.利便性という意味ではガスコンロが勝ります.登山用品店でもガスコンロの取り扱いがほとんどでしょう.一方でガソリンコンロの方が火力が強く気温の低い冬山などでも頼りになります.
SOTOのウインドマスターはシンプルながらも強い火力を持っています.ゴトクがはずれて非常にコンパクトになるので少しでも軽量化したい人にはお勧めです.
↓↓↓
鍋・食器(コッヘル/クッカー)
山ではアルミ製やチタン製の食器が使われることが多いです.ひとりで宿泊する場合には火にかけられる鍋と食器兼用のコッヘルがおすすめです.
生活編
ソーラーパフ
もはやテント泊の必需品です!!
ソーラーパフは太陽光で充電されるLEDライトです.1-2用テントであればソーラーパフ1つあればヘッドライトを使わなくとも十分な明るさがあります.収納サイズは10㎝程度,重さ75gと非常にコンパクトで軽くザックにつけながら充電している登山者をよく見かけます.テント生活を快適にしてくれること間違いなしです!
おまけ:ザック編
最後にザックについて少し紹介します.
一般的に日帰りや小屋泊では大きくても45Lくらいのザックで十分ですがテント泊をするとなると45Lではやや少ないです.もちろんパッキングが上手であれば45Lでのテント泊は可能です.しかし,今後雪山やバリエーションルートなど更なるステップアップを目指す方は最低でも70Lのザックの購入をお勧めします.
筆者は冬山もやりたかったためテント泊をする段階でグレゴリーのバルトロ75を購入しました.テント泊,冬山のバリエーションルートも含めて十分に機能しています.
おわりに
テント泊に必要な装備についてまとめてきました.テント泊をするには新しい装備をそろえる必要がありますが小屋泊ではえられない魅力がたくさんあります.今年の夏はテント泊してみてはいかがでしょうか?
コメント