山小屋で泊りの登山をしていると小屋付近のテント場でテント泊をしている登山者を見てうらやましいと思ったことはありませんか?でもいざテント泊をしようと思っても
何が必要かわからない.
どんなテントを買えばいいの?
高い買い物だから慎重に選びたい
そう考える人は少なくないはずです.今回ははじめてテント泊をする初心者向けに登山用テントの選ぶポイントをまとめていきます.登山用テントを選ぶポイントはいくつかありますがポイントは
になります.
目次
テント泊をするメリットって?
テント泊をする一番のメリットは自分の空間を確保できることでしょう.山小屋泊では食堂であったり,寝る場所であったりなどは強雨のスペースです.ですがテント泊では自分の国を作ることができます.そのほかにも小屋がない場所・開いていない時期に泊まれたり,宿泊費が安かったりなどテント泊のメリットは複数あります.
下記リンクでテント泊のメリット・デメリットや初心者が行きやすいテント場を紹介しています.
どんなところを見ればいいの?
登山ブームもあり登山用品店にはたくさんの種類のテントがあって選ぶときに迷ってしまいます.そんなときに抑えておいた方がいいポイントを紹介していきます.
シングルウォールかダブルウォールか
まずはテントの構造です.よく言われるのがシングルウォールテントかダブルウォールテントかです.構造的な違いはシンプルでシングルウォールテントはテントの壁が一枚の防水透湿性の生地でできています.一方で,ダブルウォールテントはテント自体は薄手の防水透湿性の生地で,その上から防水性のフライシートをかぶせます.
シングルウォールテントのメリットは生地が少ないためコンパクトであったり軽量であったりする点です.一方で1枚でテント内の環境を保つために透湿性はダブルウォールテントより悪くなっています.そのため結露が問題とされやすいです.
ダブルウォールテントのメリットは生地が2重になるため結露が少ないがあります.また前室を作ることで居住性を高めています.
一般的な登山用テントではダブルウォールテントがほとんどで,テント場で見かけるテントは90%以上がダブルウォールテントです.
シングルウォールテントのメリットデメリット
〇メリット
- 軽い,コンパクト
- 設営が簡単
〇デメリット
- 結露しやすい
ダブルウォールテントのメリットデメリット
〇メリット
- 結露しにくい
- 保温性が高い
- 冬用フライの使用で冬期も使える
- 前室など居住性が高い
デメリット
- シングルより重くなる
- 設営がやや煩雑
何人用か
テントを選ぶ際に何人用のテントを選ぶかは迷う点です.なるべく汎用性の高いテントがいいのですが,残念ながらテントは人数によってテントを変える必要があります.大人数では小さいテントには泊まれないし,ソロなのに大きいテントでは荷物の重量が増えてしまうからです.そのためテントを買うときには自分の目的にあった人数のテントを購入する必要があります.
結局,人数次第なのか!と言われればそうですが,その中でも一つだけ考慮するべきなのは,1人用のテントはあまりお勧めできないということです.
昨今の登山ブームではソロテント泊も流行っています.現に1人用のテントもたくさん売っています.ですが1人用のテントは本当に1人でしか泊まることができません.最大2人と書いているものもありますが,1人用とうたっているテントで2人泊まることはかなりの無理をしている状態です.逆に2人用のテントであれば1人でも2人でも泊まることができます.しかも,1人用と2人用では重さや価格がそれほど変わりません.なのでソロテント泊であっても2人用を選ぶ意義は十分にあると思います.
重さ
テント泊をするにあたって重さは非常に重要です.テント以外にもシュラフや調理器具など様々な装備を持っていくので山小屋泊と比べるとザックはとても重くなります.そのためテントを選ぶ際には1gでも軽いテントを選びましょう.この点はキャンプ用テントとの一番の違いになります.
入口の場所・数
1~2人用のテントを選ぶときに入り口がどこにあるかも選ぶ基準の一つです.短辺に入口がある場合はテント内の保温に優れ,長辺に入口がある場合には出入りの快適性に優れます.
冬(雪山)でも使用するかどうか
雪山での使用を意識したときに雪山でも使用できるテントと使用できないテントがあります.冬山では雨が降らないかわりに雪が降ります.そのためフライシートも雪用のものに変わります.この雪用のフライシートがあるかどうかで冬も使えるテントかどうかがわかります.
先々に冬山も挑戦したい方は冬山でも使えるテントを選びましょう.
登山用テントの比較
ここまでテントを選ぶときに注意するべきポイントを紹介してきました.ここからは具体的にどんなテントがあるかについて説明していきます.
アライテント エアライズ
アライテントは50年以上にわたってテントやツエルトなどを販売してきたメーカーで国内工場で製品を作っています.
エアライズは3シーズンを基本として冬用外張りを使用することで厳冬期も使用できる王道の軽量山岳テントです.重さ,居住環境など最高レベルのパフォーマンスを発揮しつつ,手が出しやすい価格帯になっています.フライシートはポールに通すのではなくバックル方式になっておりスムーズな設営が可能です.
モンベル ステラリッジ
モンベルも国内メーカーであり,軽量山岳テントがステラリッジです.こちらも軽量かつ高レベルの居住環境,さらに低価格で人気のテントです.エアライズとの違いはポールスリーブではなくループとなっているところです.またフライは別売りですが,スノーフライやエクステンドラインフライなど選択肢が組み合わせが多いのもモンベルの特徴です.
ヘリテイジ エスパース
エスパースは冬山をはじめとして厳しい環境での幕営を意識したテントです.他のものよりも大きめに設計されているのが特徴です.また前二者とは違い長辺に入口があり,かつ冬期に雪が入ってくるのを防ぐ吹き流し方式の入口になっているのが特徴です.
少人数用のテントでは見る機会はあまり多くはありませんが3-4人以上のテントでは王道のシリーズです.
ファイントラック カミナドーム
軽量かつ「何もあきらめない」がキャッチフレーズの国産山岳テントです.ファイントラックでは実際の登山者が設計に携わっており,かゆいところに手が届く製品作りが特徴です.
カミナドームは収納サイズがコンパクトでかつ軽量です.また設営したときに壁が立ち上がるようになっており広さや高さ以上に内部空間が広くなっています.価格は高めですが,金額が許すのであればぜひ選びたい一張りです.
1人用 | エアライズ | ステラリッジ | エスパース (1-2人用) | カミナドーム |
---|---|---|---|---|
広さ | 100×205㎝ | 90×210㎝ | 110×210㎝ | 90×205cm |
高さ | 100㎝ | 105㎝ | 100㎝ | 100cm |
重さ | 1360g | 1340g | 2000g | 1280g |
収納サイズ | 14×29㎝ ポール38㎝ | 13.5×29㎝ ポール41㎝ | 14×32㎝ ポール48㎝ | 8×15×25cm ポール39㎝ |
入口の位置 | 短辺 | 短辺 | 長辺 | 長辺 |
価格 | 42,900円 | 30,250円 | 48,400円 | 60,500円 |
別売り | 冬用フライ | レインフライ (13,750円) スノーフライ | フライ (17,600円) | 内張り・スノーフライ |
2人用 | エアライズ | ステラリッジ | エスパース (2-3人用) | カミナドーム |
---|---|---|---|---|
広さ | 130×210㎝ | 130×210㎝ | 150×210㎝ | 130×212㎝ |
高さ | 105㎝ | 105㎝ | 118m | 105㎝ |
重さ | 1550g | 1430g | 2310g | 1460g |
収納サイズ | 15×30cm ポール38㎝ | 14.5×30cm ポール41㎝ | 17×33㎝ ポール48㎝ | 8×17×27cm ポール39㎝ |
入口の位置 | 短辺 | 短辺 | 長辺 | 長辺 |
価格 | 48,400円 | 32,120円 | 53,790円 | 68,200円 |
別売り | 冬用フライ | レインフライ (14,850円) スノーフライ | フライ (21,230円) | 内張り・スノーフライ |
まとめ
初めてテント泊をする人向けに登山用テントを紹介してきました.自分にあったテントは見つかりましたか?この夏は新しいテントでテント泊にチャレンジしてみましょう!
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