登山をはじめた人にとってアルプスはひとつの目標だと思います.約2500mの森林限界をこえての稜線歩きは爽快です.でも登山初心者にとってはじめてのアルプスは不安も大きいと思います.
「燕岳」は稜線もなだらかで北アルプスの中では登りやすく日帰り登山も可能です.展望に関しては文句なしで北は剱岳,南は槍穂まで最高の景色を望むことができます.これらの理由で
「燕岳」は北アルプスデビューにおすすめの山です!!
そういうことで今回は燕岳の魅力と登山コースを紹介していきます.
燕岳ってどんな山?
燕岳は北アルプスの中央から南部に位置する標高2763mの山で,日本二百名山および新日本百名山に含まれます.ながらかな稜線と花崗岩の美しい山容から「北アルプスの女王」と言われます.稜線付近のハイマツ帯にはライチョウも生息しています.
目立った難所もなく登れるため登山初心者でも十分に登ることができ,燕岳で北アルプスデビューを果たした登山者もたくさんいることでしょう.
北は餓鬼岳や唐沢岳,南は大天井岳を経て常念山脈や東鎌尾根につながります.槍ヶ岳への王道縦走路表銀座コースへの最初の山としても有名です.
一般的な登山道である合戦尾根は急登ではありますが,定期的に休憩用のベンチがあり初心者でも安定したペースで登ることができます.
燕岳の登山
では燕岳の登山道を詳しく見ていきましょう.燕岳へは長野県安曇野市の中房温泉の登山口から登るのが一般的です.ここではこの登山道を
- 中房温泉へのアプローチ
- 中房温泉~合戦小屋
- 合戦小屋~燕山荘
- 燕山荘~燕岳
の4つにわけて紹介していきます.
中房温泉へのアプローチ
燕岳の登山口は長野県安曇野市にある中房温泉です.
中房温泉へは高速道路の安曇野インターから車で40分のところにあります.あるいはJR穂高駅経由のバスがあるのでこれらを利用しましょう.タクシーを利用すると片道12000円くらいかかります.
有明山黒川口から中房温泉までの山道は舗装はされていますが,カーブが多く道も狭いため運転には十分な注意が必要です.有明山黒川口から中房温泉までのバスもあるので運転に自信のない方はこのバスを利用しましょう.
中房温泉~合戦小屋
コースタイム:2時間30分 往路 1時間45分
燕岳までは標高1462mにある中房温泉にある登山口から合戦尾根を登っていきます.
中房温泉の登山口は燕岳日帰りの人たちだけではなく,表銀座や常念山脈縦走の人たちも集まるため登山シーズンは非常に込み合います.早めの行動を心がけましょう!
合戦尾根はブナ立尾根・早月尾根とともに北アルプス三大急登に含まれます.
ですが尾根の途中には途中の合戦小屋までは,およそ30分おきに休憩用のベンチがあり初心者でも十分に登ることができます.合戦尾根の中でも特に合戦小屋までが急登になっているのでしっかり休憩をとりながら登りましょう.
途中の第一ベンチ,第二ベンチ,第三ベンチ,富士見ベンチはいつも休憩している人でにぎわっています.富士見ベンチをすぎると合戦小屋まではあと少しです.
合戦小屋には宿泊設備はありませんが,休憩をしたり軽食をとったりすることができます.
中でも合戦小屋のスイカは名物で毎シーズンたくさんの登山者がスイカを味わっています.シーズン中は売店にはスイカを求めて長蛇の列ができます.
合戦小屋~燕山荘
コースタイム 1時間10分 往路 45分
合戦尾根から先はなだらかな尾根を歩きます.標高があがると多少の岩場はありますが安定しており初心者でも十分通過可能です.このくらいの標高まであがると表銀座の稜線ごしに槍ヶ岳が展望できるようになります.
さらに稜線をあるくと森林限界をこえ燕山荘に到着します.
燕岳に登る稜線上にある「燕山荘(えんざんそう)」は1921創業の老舗の山小屋です.表銀座の拠点としてたくさんの登山者が燕山荘にあつまりにぎわっています.
また年末年始やゴールデンウイークの時期もやっている山小屋であり一年を通して人があつまる山小屋です.
燕山荘~燕岳
コースタイム 30分 往路 30分
燕山荘までくれば燕岳まではもうすぐです.
北に延びる稜線の先に燕岳が展望できるはずです.また南に目を向けると大天井岳や槍ヶ岳が美しく見えるはずです.
燕岳への稜線は,左右に花崗岩の岩峰が広がり,足元を見ると花崗岩が風化した真砂土とハイマツがあり,気持ちよく歩ける稜線です.危険個所はありませんが森林限界をこえた北アルプスの稜線であるため気象条件には十分に気をつけましょう.
燕山荘をでてすぐのところにある岩は「イルカ岩」と言われているかのように見える名所の一つです.バックには槍ヶ岳が展望できます.
燕岳尾山頂はそれほど広くなく,標識はありません.ですが北は剱岳や立山連峰の稜線が広がり,南には燕山荘を経由して表銀座の稜線が槍ヶ岳まで伸びていきます.また富山側を見ると裏銀座の稜線と並行して裏銀座の稜線が展望できます.
燕岳で一息ついたら燕山荘まで戻り下山の準備です.
まとめ
燕岳について紹介してきました.初心者でも十分に登れ,それでいて満喫できる北アルプスの一つとして非常に魅力的な山です.これからアルプスを目指す人は選択肢に入れてみてはどうでしょうか?
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