そうだ!シン・クラックをやろう!|愛すべきおすすめのシンクラックルート6選

トラッドクライミング

 こんにちは!にわかアルピニストです.

 巷では2016年に公開された”シン・ゴジラ”にはじまり”シン・エヴァンゲリオン劇場版:||”,”シン・ウルトラマン”,”シン・仮面ライダー”へと続く4作品を”シンシリーズ”と呼ぶことがあるようです.

 一方,われらが愛好するクラッククライミングの世界では指も入らないような細いクラックを英語の”thin”という単語を頭につけて”シンクラック”と呼んだりなんかします.

 今回はそんなシンクラックの中から筆者がおすすめする6本を紹介していきます!!

シンクラックの特徴
  • とにかく細い
  • 指が入らないのでジャミング以外のテクニックが必要
  • #0.2以下のカム,ナッツなど細かくシビアなプロテクション
  • ムーブ自体は易しなお買い得ルートが多い?

シン・クラックといふものありけり

 世の中には数多の割れ目がありますが,その中で体の中で最も細い可動部位である指すらも入らないような細いクラックのことを”シンクラック”と呼んだりします.ただしこれについてはたぶん明確な定義はないのでどのくらいの細さからこう呼ぶかは個人差があるかもしれません.

 シンクラックのクライミングは他のクラッククライミングとは一線を画しており,ワイドクラックと同様に対極にあるこの手のクライミングにも熱烈な愛好者が存在しています.

ジャミングをしないクラック

 クライミングの難易度は様々な要素によって規定されこれらは一般化することはなかなか難しいものですが,ことクラッククライミングにおいては一つだけ断言できるものがあります.それは”クラックは細ければ細いほど難しい”ということです.

フィンガークラック

 フィンガー,ハンド,フィスト,ワイドなどいろんなサイズのクラックに対してそれぞれ多様なテクニックが開発されてきましたが,これらはあくまでも体の構造物がクラックの中に入り,ジャミングができるという前提のものです.指も入らないようなサイズであるシンクラックにおいてはジャミングというテクニックは通用しません.

 そうはいっても1本のクラックがすべてシンクラックというのは稀で(あるいは登攀対象とされていない?),現実的に登られているラインは細い範囲が部分的であったり,クラック以外の弱点があったりなんかで案外何とかなる場合も多くなっています.

マイクロプロテクション

 シンクラックのもう一つの特徴がそのプロテクションの細かさです.指の太い男性でもキャメロットでいう#0.3くらいまではジャミングがききますので,シンクラックと呼ばれるサイズは#0.2以下のカムを使うことになります.またカムを全く受け付けなくマイクロナッツやボールナッツでのプロテクションが必要となってくる場面もあります.経験のあるクラッククライマーでもこれらのマイクロプロテクションでしっかりとフォールしたことがあるひとはそれほど多くはありません.

 マイクロカムやマイクロナッツ自体の耐荷重は6kNほどあり通常のフォールではまず外れることはありませんが,これはあくまでも正しくセットされたときの理論値であってプロテクションは小さくなればなるほどそのセットもシビアになります.そのためこれらのギアが何個も外れるというのはよくあることです.

シンクラックはお買い得が多い?

 クライミングのグレーディングはとても難しいものですが,クラックのルートの場合にはギアのセットが加味されている場合とそうでない場合があるのでさらに複雑です.有名なルートだと湯川の白髪鬼や城ヶ崎のメリーゴーランドなんかはギアをセットしながら登るか,プリセットで登るかでグレードが変わってくる興味深いルートです.

 とはいえカムをセットしながら登るレッドポイントが完登の主流となっている現代においてはカムセットも込みでのグレードとなっているところが多い印象です.

 ということは,,,カムセットがシビアなシンクラックのルートではそのセット自体にグレードが引っ張られるため,純粋なムーブ自体の強度は同グレードのフェイスルートよりも易しめのことが多くなってるはずです.実際に筆者の体感としても1-2グレード分くらいムーブが易しいクラックルートはぼちぼちあります.

 つまりシンクラックはお買い得です!ぜひやりましょう()

おすすめシンクラック6選

 ここからは筆者おすすめのシンクラックを6本紹介していきます.それぞれのルートのthinレベル・おすすめど・取付きやすさを☆の数で表現していますので参考にしてみてください!!

おじゃま虫 5.12b 小川山

 おじゃま虫は小川山の兄岩にあるシンクラックです.左にめおとクラック,右に八王子ルートときれいなクラックが3本並んでおりとても見栄えがします.

左がめおとクラック,中央がおじゃま虫,一番右が八王子ルート

 シンクラックのパート自体は短いですがうっすらと前傾しておりクラック外のホールドも使いながら登っていきます.

  • thinレベル ☆
  • おすすめ度 ☆☆
  • 取付きやすさ ☆☆☆☆
  • ”森”のように並ぶ3本の極上クラック

イヴ 5.11c 瑞浪

 アダムと並んで瑞浪の花形ルートの1本がこのイブです.核心部は指の入らない細いクラックですが,フレアした部分を巧みに使いながら攻略していきます.

 短いルートな上に核心が地面から近い所にありグラウンドフォールも時折起きるルートでシンクラックらしい緊張するクライミングとなります.

  • thinレベル ☆☆
  • おすすめ度 ☆☆☆☆☆
  • 取付きやすさ ☆☆☆☆☆ ※ただしリードは☆☆
  • ”信”じられるか,己のプロテクションを

深夜特急5P目 5.11d 錫杖岳

 アルパインクライミングのゲレンデである錫杖岳にも極上のシンクラックがあります.深夜特急のハイライトでもある5P目は前傾した凹角にあるシンクラックをステミングを駆使しながら登っていきます.

 アルパインの中の1ピッチという位置づけですがこのピッチを登るためだけに長いアプローチをこなす価値は十分にあります.

  • thinレベル ☆☆
  • おすすめ度 ☆☆☆
  • 取付きやすさ ☆
  • ”深”夜特急

文武は両道 5.12a 瑞牆

 瑞牆のクラッククライミングのエリアというと十一面岩末端壁や不動沢が思い浮かびますが,スポートのメッカでもあるカサメリ沢にもシンクラックはあります.

文武は両道

 文武は両道は30mの長さの中に様々なクラックの技術が求められる好ルートで,もちろんそのハイライトはシンクラックパートになります!

  • thinレベル ☆☆☆
  • おすすめ度 ☆☆☆
  • 取付きやすさ ☆☆☆☆☆
  • 目指すは”真”の文武両道

神の時代 5.12c 瑞牆

 瑞牆随一のシンクラックというとやはりこの神の時代でしょう.十一面岩正面壁のシロクマのコルという長いアプローチをこなしてようやくこのルートを拝むことができます.

 でだしからナッツやボールナッツなどの細かいプロテクションを駆使して登ることになります.中間部,後半部も侮れない充実するルートです.

  • thinレベル ☆☆☆☆
  • おすすめ度 ☆☆☆☆☆
  • 取付きやすさ ☆☆
  • ”神”の時代

サンクトプルトニウム 5.11b 名張

 クラックの熟練集団であるナバラーすらもなかなか取付かないクラックがこのサンクトプルトニウムです.3時という名のシンクラックとプルトニウムという名のワイドクラックを継続した名張の隠れ名ルートです.

 何といっても下部のシンクラックは見事で,その細さは容易には取りつけない雰囲気を醸し出しております.

  • thinレベル ☆☆☆☆☆
  • おすすめ度 ☆
  • 取付きやすさ ☆☆ ※ただしリードは☆
  • ”進”んだ先に待ち受ける名張最凶のワイド

まとめ

 この記事では筆者がおすすめのシンクラックを紹介してきました.プロテクションの細かさで忌避されがちなシンクラックですが,案外お買い得のものが多く,その内容自体も他のサイズには劣るものではありません.

 ぜひクラックの”新”世界に足を踏み入れてみてください!

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