本格的なロッククライミングが日帰りで楽しめる御在所岳．花崗岩のマルチピッチクライミングが楽しめるエリアとして東の小川山・瑞牆，西の三倉などが有名ですが，三重県にある御在所岳で楽しめるルートはそれらのエリアにも負けない魅力があります！
そんな御在所で一番人気のクライミングルートといえば前尾根でしょう．ですが御在所には他にも魅力的なルートが沢山あります．
今回するルートは中尾根バットレスにあるカリフォルニアドリーミングというルートです．全6Pのルートでピリリとしびれる花崗岩のクライミングが楽しめること間違いなしです！！
- スラブを中心とした花崗岩特有のクライミング
- 手ごろなグレードのクラッククライミング
- しっかりとしたボルトでフリークライミング的な楽しみ方ができる
- 他のルートでは味わえないバットレス特有の高度感
御在所岳
小川山，瑞牆，三倉，大堂海岸，，，など花崗岩のロッククライミングが楽しめるエリアは各地にありますが，三重県と滋賀県にまたがる鈴鹿山脈にある御在所岳は東海・関西のクライマーなら一度は訪れたことのある超人気エリアです．
御在所岳は古くからアルパインクライミングのトレーニングエリアとして登られていました．その流れもあり，現在も一の壁や前尾根，中尾根などはフリークライミングというよりアルパインクライミング的なルートとして登られています．
人気のマルチピッチクライミングルートである前尾根と中尾根についても下記のリンクで紹介していますのでぜひ合わせて読んでみてください！
中尾根バットレス
中尾根バットレスは御在所岳の藤内壁にある岩壁で前尾根，中尾根と並ぶマルチピッチクライミングが楽しめるエリアです．複数ルートがありますが，その中でも一番人気なのはカリフォルニアドリーミングという全6Pのルートです．
最初にスラブ中心のしびれるルートが3Pあり，続いて核心である4P目，最後の2Pは気持ちのいいクラッククライミングが楽しめます．4P目が5.12aとなっておりルート全体のグレードを押し上げていますが，このピッチはボルト感覚が近くなっていてスリングなどを使ってのA0ないしはA1で抜けることも可能となっています（．．．むしろその方が一般的です）．
最初の3Pだけ登って懸垂下降で降りてくるのでも十分楽しめますが，A0/A1を使ってでも最後まで登りきることをおすすめします！！
アプローチ
中尾根バットレスへは一の壁の基部の踏み跡を5分くらい進むと到着します．一の壁の右側のルートの下降ルートともかぶっており非常にわかりやすくなっています．
1,2,3P目 5.10a，Ⅴ，5.10a
カリフォルニアドリーミングはぴりりとしびれるスラブから始まります．中尾根バットレスのスラブ側の面は3段になっており，1P目は1段目の傾斜の強いスラブを登ります．スラブ面の左側から登り始め，途中のでカンテ側にトラバースします．トラバースした後は細かいホールドとフリクション頼みの足運びで緊張します．ただボルトもしっかりしておりフリークライミング的な間隔で登ることができます．2段目手前のレッジになるところでピッチを切ります．
2段目に入る2ピッチ目は，先ほどのピッチと比べると傾斜も緩みスタンスもわかりやすいので安心感があります．15mほど登ると横に走る大クラックがに入るのでここに立ってトラバースすると2P目の終了点です．
3P目は2段目から傾斜の強い3段目に移り変わるところまで登ります．左上にあるフレーク目指してトラバースしていきます．1本目のボルトが遠いのでフレークにカムでプロテクションをとっていきます．このピッチも細かいスタンスに立ちこみながら登っていきます．
4P目 5.12a（Ⅴ？，A1）
ルートを通しての圧倒的な核心である4P目は5.12aと全体のグレードを押し上げています．花崗岩の，しかもスラブの5.12aなのでグレード以上の厳しさを感じるルートです．難しいのは出だしの傾斜の強い部分ですが，この部分はボルト感覚が近くスリングを使用してのA0ないしはA1をすることで容易に突破できます．途中ボルトが左と上に分かれますがどちらでも抜けることができます．
出だしの部分を人工登攀で抜けると傾斜は緩み，クラックも発達しているため大分登りやすくなります．スラブ面にある2本のクラックを使いながらテラスまで登っていきます．この後半部分はボルトがなくナチュラルプロテクションになるのでカムなどを準備しておきましょう．
4P目についてはフリークライミングの開拓などでも有名な成瀬洋平さんの記事がおもしろいのでぜひ読んでみてください．
5P目 Ⅴ
4P目までの快適な岩のクライミングとは雰囲気が打って変わって5P目はアルパインチックになります．最初は苔の生えたスラブをブッシュなども使いながら登っていきます．後半部分は高度感のあるトラバース進んでいくと左上するクラックがありこれを登ります．岩も脆くなっているので注意しながら登りましょう．
6P目 5.10a
最終ピッチは逆「く」の字状のすっきりとしたクラックです．最初は気持ちよく決まるハンドサイズですが逆「く」の字を折り返したあたりからフィスト~オフウィズスサイズになり短いながらも奮闘的なクライミングになります．
下降は登ってきたルートを懸垂下降で降りていきます．
まとめ
今回は中尾根バットレスにあるカリフォルニアドリーミングというルートを紹介してきました．前尾根や中尾根と比べると少し敷居が高い気もしますが，ボルトもしっかりしておりフリークライミング感覚で楽しめる名ルートです！このルートを登れば御在所をもっと楽しめるはずです！！
今回紹介したルートをはじめ一の壁，前尾根，中尾根など御在所岳のルートが載っている御在所クライマー必携のトポです！！
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