クライミングをはじめたばっかりの時は回収するだけのプロテクション(ランニングビレイ,中間支点)ですが,経験をつんでリードをするようになると自分でプロテクションを設置するようになります.
ボルトが打ってあるようなルートならカラビナをかけるだけですが,ルートによっては自分でプロテクションをとる必要があります.
そんな時に必要になるデバイスのひとつが「カム」になります.
このページではそんなカムの種類や購入するときのポイントについて解説していきます.
- プロテクションは命を守る(プロテクトする).
- カムは回収できるナチュラルプロテクションである.
- カムにはいろいろな種類がある.
- 最初にそろえるカムはキャメロットC4がおすすめ!
目次
プロテクションて何?

クライミングは壁や斜面を登るスポーツであり,必然的に落下のリスクがあります.プロテクション(中間支点)は落下した際の大事故を防ぐために必要です.ここではプロテクションの解説とどんなプロテクションがあるかを紹介していきます.
プロテクションは自分の命を守る(プロテクトする)
もしロープによる確保がなければクライミングでの落下は即致命的となるでしょう.下した際の地面への衝突を防ぐためにクライミングではロープで確保しながら登っていきます.
リードクライミングをする際には中間支点(プロテクション)にロープをかけながら登りま.そうすることで万が一落下した場合でも地面への衝突を防ぐことができます.
つまりプロテクションとは命を守る(プロテクトする)ために必要なものなのです.

どのように支点をとって登っていくかなどのクライミングシステムについては以下のリンクで解説していますのでご参照ください.↓↓↓
強固なプロテクションがあれば強い衝撃にも耐えることができますが,今にも崩壊しそうなプロテクションには命を預けることはできません.プロテクションをとることはクライマーにとっては必須の技術になります.
カムは回収可能なナチュラルプロテクション
命を守るプロテクションですが,人気のフリークライミングのルートなどでは初めからボルトが打ってあるところも少なくはないでしょう.
ですがもちろんボルトがないルートもたくさんあり,そのようなルートでは自分で支点を構築してプロテクションをとる必要があります.
プロテクションの中でもカムやナッツのようにフォロー(後から登る人)が回収できるものをナチュラルプロテクションといいます.中でもカムは様々なサイズがありちょっとした岩の亀裂からワイドクラックまで様々なシチュエーションで支点を作れるのでクライミングには必須の装備になります.

カムにはどんな種類があるの?
ここからはカムについてもう少し詳しく紹介していきます.
カムの種類
カムの中で一番人気なのはおそらくブラックダイアモンド社のキャメロット(Z4,C4,UL)でしょう.その他にはフレンズ(ワイルドカントリー),マスターカム(メトリウス),エイリアン(FIXE),ドラゴンカム(DMM)などがあり製品によってカムのサイズ(事項で説明)やトリガー,スリングの長さ,重さなどが変わってきます.
カムのサイズ
カムはクラックに挿入して使用しますが,そのクラックがフィンガーなのか,ハンドなのか,あるいはオフウィズスなのかなどクラックの幅によって選択するサイズが全く異なります.


例えばキャメロットZ4やマスターカム,エイリアンなどはフィンガーやせいぜいハンドまでの狭いクラックを主なターゲットとしており,キャメロットC4やUL,フレンズやドラゴンカムなどはハンド~フィスト,場合によってはオフウィズスなどで活躍してきます.
クラックのサイズ カム選択の一例
- フィンガー →Z4,マスターカム,エイリアン
- ハンド →Z4,マスターカム,エイリアン,C4,ドラゴンカム,フレンズ
- フィスト →マスターカム,C4,ドラゴンカム,フレンズ
- オフウィズス →C4,ドラゴンカム,フレンズ
最初のカムは何を買えばいいのか?
さて,ここまでに一口にカムと言ってもたくさんの種類があることを紹介してきました.実際に多くの人がカムを最初に買うときに迷います.ここでは最初にどのカムを選べばいいのかを紹介していきます.購入するときに何を選べばいいのか?
自分の行きたいルートに必要なカムをそろえよう!
基本はこれです!
登山のスタイルや行きたいルートは人によって異なります.アルパインクライミングなのか,フリークライミングなのか,あるいはクラッククライミングなのか何に主眼を置いてどのルートに行くかによって必要な装備は異なります.
例えばフィンガークラックのルートに行きたいのであればフィンガーサイズのカムが必要でしょうし,クラック以外にも支点がとれるアルパインルートに行くのであれば汎用性の高いハンド~フィストのカムが必要でしょう.極端に言えば,ボルトが打ってあるルートにしか行かない人にはカムは必要ありません.
自分がどんなスタイルで,どんなルートによく行くかを考えてカムを選びましょう.
ブラックダイアモンド キャメロットがおすすめ!
それでも何か最初に選びたいという人は,比較的使用頻度が高いハンド~フィストサイズのカム(#0.75~3くらい)をそろえてそのうえで不足しているものを買い足していくスタイルをお勧めします.
ハンド~フィストサイズのカムだとキャメロット,ドラゴンカム,フレンズが選択肢となってきますがこれらに大きな違いはありません.ですが下記のような点から筆者はキャメロットをお勧めします.
- キャメロット vs ドラゴンカム →トリガーに親指をかけるCループシステムがよい
- キャメロット vs フレンズ →耐荷重がキャメロットの方が優れている
- キャメロット vs ドラゴンカム/フレンズ →価格が安い
- キャメロット vs ドラゴンカム/フレンズ →キャメロットの方が使用人口が多く慣れやすい


またキャメロットの中でもC4と軽量化されたULがありますが,次のような違いがあります.筆者は総合的に判断してC4を購入していますが,この点については意見が分かれるでしょう.
- C4の方が耐荷重が優れている
- ULのワイヤーが破損しやすい
- ULの方が軽い(各10-20gずつ)
- C4の方が安い
※C4とULについての違いや選び方は下のページで紹介していますので参考にしてみてください!!
まとめ
プロテクションについての説明やクライミングカムの選び方を紹介してきました.いろんな種類のカムがあるのでいろいろ試して自分に合ったカムがみつかるといいですね.


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