立山三山縦走|日本で一番登山初心者に優しい3000m峰縦走路

無雪期登山
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 日本は陸地の約70%が山岳地帯の山岳大国です.そんな日本でも3000mを越える山はたった23座しかありません.さらに3000m級の山々をつなぐ縦走路となるともはや片手で数えるほどしかありません.

 雄山(3003m),大汝山(3015m),富士ノ折立(2999m)を総称した立山と北の別山,南の浄土山の三山を一般的に立山三山といい,3000m級の山々を連ねて歩くことができる縦走路です.また危険個所や難所も少なく初心者にも人気のルートです.

 今回は登山初心者でも挑戦しやすい3000m峰縦走路としての立山三山を紹介していきます.

立山三山
  • 3000m峰2座を含む6座をつなげて歩ける縦走路
  • 危険個所や難所も少なく初心者でも挑戦しやすい
  • 室堂から日帰りで縦走できる
  • 日本有数の山岳である剱岳や黒部ダム,後立山などの美しい展望

立山三山

 富山県にある雄山(3003m)大汝山(3015m)富士ノ折立(2999m)の3つの山を合わせて立山と言います.また立山の北にある別山(2880m),南にある大汝山(2831m)を合わせると立山三山と呼ばれ,日本有数の縦走路を形成しています.

 日本には縦走できる山が沢山ありますが,これだけ標高の高い山を縦走するコースはそれほど多くありません.立山三山は3000m級の縦走路ですが危険個所や鎖場などの難所もなく比較的初心者でも挑戦しやすい山域です.また富山県の立山から長野県の信濃大町まで北アルプスを貫く立山黒部アルペンルートと呼ばれる山岳観光ルートを使用してベースとなる室堂まで簡単にアプローチできるのも人気の要因です.

ケーブルカー

3000m峰縦走路

 国土の70%が山岳地帯の日本にも3000mを越える山は全部で23座しかありません.そして3000mを越える山を連ねて縦走するコースは数えるほどしかありません.

 3000m峰を連ねる縦走路としては代表的なものは,日本第2の標高を持つ北岳を含む白峰三山,三山いずれも3000m峰である荒川三山,日本有数の山岳地域である槍・穂高縦走路,そして今回紹介する立山三山が知られています.

3000m峰を連ねる縦走路(縦走路名/体力度/技術的難易度)※各県の山のグレーディングより
  • 白峰三山/⑦/C
  • 荒川三山/⑤/D
  • 槍・穂高縦走路/⑨/E
  • 立山三山/③/B

 槍・穂高縦走路は言わずと知れた国内最難の縦走路ですが,荒川三山も厳しい岩稜帯があり経験が必要です.白峰三山は難所ことは少ないですが距離や標高差があり体力づくりしてからの挑戦が必要です.そんな中,立山三山はガレ場や鎖場などの難所・危険個所はほとんどなく初心者でも挑戦しやすく,また行程も短く日帰りでも楽しめるおすすめの縦走路です

コースプラン

 室堂から立山周囲の登山にはいくつかのコースプランがあります.自分の体力や技量,使える日数に応じて自分なりの登山路を選択してみてください.

①雄山往復

②立山(雄山・大汝山・富士ノ折立)縦走

③浄土山・立山縦走

④立山・別山縦走

⑤立山三山(浄土山・立山・別山)縦走 泊り 

⑥立山三山(浄土山・立山・別山)縦走 日帰り

 立山三山の縦走路には基本的には危険個所はありませんが,富士ノ折立周辺が岩稜帯となり慣れていないと緊張するかもしれません.ルート自体の難易度は高くありませんが3000m峰を含む縦走路のため酸欠で息が切れやすくなったり温度が低かったりなど高山の厳しさはあるのでしっかり準備をしておきましょう.アルペンルートの終発もあるため行程が長くなると日帰りではなく1泊するなど余裕を持った行程にした方がよいかもしれません.

縦走路

 ここからは実際の縦走路について紹介していきます.6月中旬で一部に雪が残る時期ですが基本的なルートは盛夏と同じになっています.

浄土山~雄山

 最初に室堂ターミナルの裏手にある浄土山を経由して雄山を目指します.浄土山へは緩やかな登りで,6月の時期だと雪が残りますがアイゼンなどの装備はなくても大丈夫です.人の少ない浄土山にある2つのピークを越えると一ノ越の向こうに立山の主峰でもある雄山が見えてきます.

浄土山
雄山から続く立山縦走路
一ノ越山荘

 今回の縦走路には2つの山小屋と1つの休憩所があります.一ノ越山荘は最初の山小屋で雄山のベースともなる山小屋です.これから続く長い縦走路に向けてしっかりと休憩しておきましょう.

雄山への登りはやさしい岩場

 雄山への登りはやさしい岩場です.道も安定しており三点支持が必要な場所も少ないため登山初心者でも安心して登っていきます.とはいえ3000mの高所であるので自分のペースを崩さないようにゆっくり登りましょう.

雄山山頂

 山頂まで登りきると立山信仰の象徴でもある雄山神社の峰本社が迎えてくれます.

雄山~真砂岳

 雄山からは大汝山,富士ノ折立へと続く稜線を越えて真砂岳を目指します.森林限界をこえた岩の稜線歩きですが登山道はしっかりと整備されており危険個所はありません.

雄山から続く縦走路

 雄山の次にある大汝山は立山の中で3015mと最も高い峰です.大汝山の休憩所まで一度行ったあとに縦走路を少し外れたところにあるピークまで行きます.

大汝山

 長野県側を見ると黒部湖と後立山連峰の稜線が望めます.ここの稜線は一部雪は残りますが,登山道にはほとんど残っていません.

黒部湖を望む

 富士ノ折立周辺は立山の稜線で一番の核心です.富士ノ折立への登りは三点支持が必要になる岩稜帯です.とはいえ難しいものではないので注意しながら登っていきましょう.

富士の折立
富士の折立

 富士ノ折立を越えると危険個所はなく安心して歩けます.真砂岳は広い山頂を持つ山で,別山まで行かない人は真砂岳のピークを踏んだ後に縦走を戻って雷鳥沢まで下降します.

真砂岳

真砂岳~雷鳥沢

 立山三山最後の山は別山です.真砂岳からさらに北に歩を進めると社のある別山南峰のピークに到着します.別山は北峰の方が標高が高く,また北峰から劔沢を挟んでみえる剱岳は見ごたえがあるので稜線から一度はずれはしますが時間がある人はぜひ北峰まで行くことをおすすめします.

別山

 南峰まで戻り西の折れる稜線を30分ほど歩くと今回の縦走路の最終目的地である剣御前小屋に到着します.剣御前小屋からは雷鳥沢経由で雷鳥沢キャンプ場まで下りることができます.雪の残る時期であれば雪渓をサクサク下りることができるので時間短縮につながります.

剣御前小屋
雷鳥沢の雪渓

 雷鳥沢から室堂までの長い長い舗装道を歩いて室堂ターミナルまで歩ききれば今回の行程は終了です.アルペンルートの終発もあるのである程度の余裕をもったプランを立てるようにしましょう.歩きに自信がない人は室堂には各種宿泊施設や雷鳥沢キャンプ場もあるので泊りの行程にするのも充実することでしょう.

まとめ

 登山初心者でも3000mの縦走が楽しめる立山三山コースを紹介してきました.気持ちのいい稜線歩きが楽しめる最高のコースです.一度歩いてみてはいかがでしょうか.

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