最高の槍ヶ岳を求めて初冬の表銀座を歩こう!|燕岳~大天井岳

冬山
スポンサーリンク

 登山者初心者の憧れである槍ヶ岳を目指して燕岳,大天井岳,西岳と縦走していく大人気の縦走路が表銀座縦走路です.

 夏の表銀座は超人気の縦走路であり,拠点となる山小屋やテント場は予約がいっぱいとなり,登山道自体も多くの人で賑わうものです.

 しかし,そんな表銀座も冬となると人はほとんどいなく,絶景を独り占めすることが可能です.

 今回は,冬の表銀座の中でも比較的登りやすい初冬の大天井岳までの縦走路を紹介していきます.

表銀座って?

 表銀座は言わずとしれた名峰である槍ヶ岳を目指して数々の山を縦走していく日本で一番人気と言っても過言ではない縦走路です.

 中房温泉から燕岳へ登り,そこから槍ヶ岳へと続く稜線を歩いていきます.表銀座の魅力はなんといってもその展望であり,縦走路の多くの場所で槍ヶ岳を展望できます.徐々に近づく槍ヶ岳を見ながらの縦走はとても魅力的です.

槍ヶ岳

 表銀座は槍ヶ岳にアプローチする方法の中でも裏銀座に次いで距離が長くなります.縦走中は緊張感のある東鎌尾根は通過はありますが,登山道自体は整備されており登山経験が少ない人でも比較的登りやすい縦走路となっています.そのため夏の表銀座は多くの登山者で賑わいます.喧騒とした様子も表銀座のひとつの姿と言えます.

冬でも登れるの?

 夏には多くの登山者で賑わう表銀座ですが,冬にはその姿は一変します.宮城ゲートからの長いアプローチ,深いラッセル,激しい稜線の風,緊張する稜線歩き,懸垂下降など多くの面で一般登山者には厳しい山となります,

 そんな冬の表銀座でも,雪がまだ深くない11月の,しかも大天井岳までの縦走に限って言えば比較的登りやすくなっています.確実なアイゼン歩行は必要なものの,夏道に沿ったトレースもしっかりあり,緊張するようなトラバースもありません.ある程度の雪山経験のある登山者であればそれほど難しくは感じないでしょう.

 人の少ない初冬の表銀座をあるきつつ,どんどん近づく雪をまとった槍ヶ岳の展望を独占できるとても魅力的なコースになっています.

槍ヶ岳

初冬の表銀座

 ここからは初冬の表銀座を紹介していきます.

中房温泉~燕山荘

 中房温泉までの道は12月になると宮城ゲートが閉鎖されてしまいますが,11月までであれば車でアプローチすることができます.路面の凍結も十分ありうるのでスタッドレスタイヤは必須です.

中房温泉

 中房温泉から登りだすと30分ほどで最初の休憩ポイントである第1ベンチに到着します.その後,第2,第3,富士見ベンチと登っていきます.富士見ベンチからは天気が良ければ遠くに富士山を望むことができます.

 富士見ベンチからさらに登るとようやく合戦小屋に到着します.合戦小屋も11月中旬くらいまでは開いているのでここで温かい飲み物でものんでしっかり休憩しましょう.合戦小屋より上は雪がついているので必要に応じてチェーンスパイク等の使用も検討しましょう.燕岳までは初冬でも多くの人がはいるのでしっかりとトレースがついています.

合戦小屋
合戦小屋

 合戦の頭までは30分くらいで着き,そこからは条件がよければ雲海を背にして稜線を登っていきます.左手には大天井岳,槍ヶ岳が順次顔を出してきます.

 燕山荘までの最後の登りは雪がついている場合は夏道のトラバースではなく,尾根伝いに登るのが一般的です.ここもしっかりトレースがついていますし,赤印もつけてあるので迷うことはないでしょう.急な階段を登り切ればそこはもう燕山荘です.

燕山荘

燕山荘~燕岳

 燕山荘から燕岳はとくに危険個所のないなだらかな稜線を歩きます.燕岳からは立山や後立山など北アルプス北部の山まで望むことができます.

 この日は燕山荘に一泊して翌日に大天井岳まで往復します.

燕岳
燕山荘

燕山荘~大天井岳

 燕山荘から大天井岳までの往復は夏道で6時間程度かかりますので朝早くに出発する必要があります.早朝に出ると硬い雪上を歩くことになるので稜線ではトレース上でも緊張します.不安な人は最初からアイゼンを装着しましょう.

 夏道に沿って歩いていくと30分くらいで蛙岩につきます.夏道では長野側をトラバースしていきますが雪がついていると危険なため冬には蛙岩の間を通ります.

蛙岩
燕山荘内にある案内

 さらに稜線を歩くと,大下りの頭をこえ100mほど下ります.その後は稜線ではなく長野側を巻いていきます.ここでは稜線よりも雪が深くなっており,ところどころ注意が必要な個所もあります.ただこの時期であればしっかりとトレースがあるので踏み外さないように進みましょう.再び稜線にでたときには大天井岳が目の前に現れます.大天井岳直前の切通岩の下降の鎖場では十分な注意が必要です.

大天井岳

 大天井岳へは夏道のように大天荘の方へトラバースするのではなく直登します.200mほどの登りですが,傾斜はそれほど強くなく安定して登れます.途中槍ヶ岳は姿を隠しますが,頂上直下で再び姿を現します.

 大天井岳の頂上からは今まで見えていなかった穂高連峰をはじめ360度の展望を満喫できます.

槍穂高

まとめ

 初冬の表銀座について紹介してきました.11月であれば大天井岳まではそれほど難易度高くなく行くことができます.一方で,雪をまとった最高の槍ヶ岳をひとりじめすることもできる最高のコースとなっています.一度挑戦してみてはいかがでしょうか!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました