八ヶ岳の厳冬期のクライミングと言えば赤岳鉱泉や行者小屋をベースとした赤岳や横岳の西面が人気のエリアですが,北八ヶ岳にも手軽に冬期クライミングを楽しめるエリアがあります.
それが稲子岳南壁です!!
このページでは稲子岳南壁の中でも最もポピュラーな左カンテルートの紹介をしていきます.
- 日帰りで本格的な冬期クライミングをやりたい!
- 静かにクライミングを楽しみたい!!
- 八ヶ岳が大好き!!
稲子岳って?
稲子岳は八ヶ岳の主稜線からは少し離れて東天狗岳の北東に位置する2380mの山です.
この稲子岳ですが一般の登山対象となることはほとんどなく,クライミング目的で訪れる人がほとんどでしょう.
硫黄岳から天狗岳にかけての八ヶ岳の稜線を歩いていると,主稜線から東側に飛び出る形の岩壁がみえてきます.これが稲子岳の岩壁です.稲子岳の岩壁は南壁と東壁に分けることができ,いずれも先人たちによって多くのルートが開拓されています.
![稲子岳](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/IMG20210926054246-1024x768.jpg)
南壁左カンテルート
稲子岳には南壁と東壁にクライミングの対象となっているルートがありますが,その中で最も登りやすく,人気のルートが南壁左カンテルートになります.
![稲子岳南壁](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/09/hidari-kante-1024x718.jpg)
中山峠からの下降路から北東に延びる踏み跡を15分ほど進むと正面に岩場がみえてきます.その岩場のふもとをさらに10分ほどトラバースすると左手に大きなルンゼが現れ,その左岸にあるのが南壁左カンテになります.この左カンテに沿って登っていくのが左カンテルートです!!
最高ピッチグレードⅢ+程度で,無雪期には初心者向けの好ルートですが雪がつくとその姿は一変します.確実なアイゼンワークが求められる本格的な冬期クライミングを体験できます.
無雪期の稲子岳南壁左カンテルートについては下記のリンクで紹介しています!!
無雪期は素直な登りやすいルートになっているのでクライミング入門者にもおすすめです!!
1ピッチ目
![1P目](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204090058-768x1024.jpg)
ルンゼのふもとを注意しながら進むと取付の目印の黄色いテープがみえてきます.テラスで準備をしていよいよ左カンテルートに取付きます.
1ピッチ目は夏にはスメアリングで登れる易しいスラブですが,冬には核心ピッチとなります.アイゼンで細かいスタンスに前爪をかけながら最初のスラブを登っていきます.その後は比較的スタンスの豊富な凹角になりますが,とにかくこのスラブに足がかりがなく出だしから苦しめられます.
2ピッチ目
![2P目](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204095558-768x1024.jpg)
![2P目後半](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204104246-768x1024.jpg)
2ピッチ目は凹角を登っていきます.アイゼンがかかるところは豊富にあるので足を開きながらダイナミックに登っていくことができます.
3ピッチ目
![3P目](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204105310-1024x768.jpg)
3ピッチ目は無雪期には2種類のルート取りができます.上の写真の中央にあるフィスト~ワイドクラックを登るルートと,その右方にあるチムニーを登っていくルートです.
冬期のクライミングでは後者のルート取り一択になると思います.ここも足を開いてダイナミックに登っていきます.チムニー上部のチョックストーンを超えるところがやや大変です.
チムニーを超えると稜線にでます.超えたところにハンガーボルトがあるのでここでピッチを切ってもいいですし,稜線上を少し歩いてから次の核心の前でピッチを切ることもできます.後者の場合は岩角で支点をとることになります.
4ピッチ目
4ピッチ目の核心は稜線を進んだ先にある凹角です.ここの凹角は高度感がありやや緊張しますが,足を置くところは豊富にあります.またハーケンもたくさん打ってあり,細かくランニングをとりながら登ることができます.
![4P目](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204111453-768x1024.jpg)
![4P目](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG20211204120040-768x1024.jpg)
最後に露出感のある区画がありますがここも足場はしっかりしています.ここを超えれば終了点です.終了点にはボルトはないので岩角で支点をとる必要があります.
無雪期には5ピッチ目に短いクラックがありますが,アイゼンをつけての難易度は高いので右に巻いて稲子岳の稜線に上がります.
下山は尾根に沿って下降し樹林帯に入ると元来た道に合流します.中山峠の上りは急ですが,もう一息頑張りましょう!!
まとめ
静かな北八ヶ岳で冬期クライミングを楽しめる稲子岳南壁左カンテルートを紹介してきました.
八ヶ岳の冬期クライミングといえば南八ヶ岳の西面の岩場が有名ですが,それらのルートに負けないくらい魅力のあるルートです.日帰りで楽しめるのも魅力のひとつですね.
ぜひ一度挑戦してみてください!!
![](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/06/キャプチャ-7-160x90.jpg)
![](https://kyokarakimiwa.com/wp-content/uploads/2021/06/キャプチャ-6-160x90.jpg)
コメント