ひとりで登山できるの?|単独行について考える

単独行 無雪期登山
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 登山はいろいろな魅力があるスポーツです.新しく登山をはじめる人も多いと思います.

 はじめて山に行くときには経験者と一緒にいくことがおすすめですが,なかなか回りに経験者がいいないこともあります.

 そんな時にひとりで山に行くこともあると思います.また初めてじゃなくても日程が合わなかったり,トレーニングであったりひとりで山に行くこともあると思います.

 結論からいうとひとりでも登山はできます!!

 でもひとりで山に行く前に知っておいてほしいことがあるので今回はそんな「単独行」についてまとめていきます.

こんな疑問のある人におすすめ!!
  • はじめて山に行くけどひとりでも行けるの?
  • いつも一緒に行く仲間と都合があわずにひとりで山に行くことになったけど大丈夫?
  • 単独行って危ないんじゃないの?

単独行って?

単独行

 「単独行」という言葉をきいたことがありますか?

 「単独行」とは複数人ではなくひとりで登山に行くことを指します.ソロ登山であったり,ひとり登山ともいわれます.「孤高の人」のモデルとなった加藤文太郎が単独行を好んだことで有名です.

 登山というのは自由なスポーツです.自分で行動計画をたて,準備をして,自分のペースで歩きます.自分一人で行くことで登山の自由度は増します.

 しかし,一般的には登山ではひとりよりも複数人で行くことが推奨されています.また初心者であれば経験者と一緒に行く方がよいでしょう.

 その理由の一つとして単独行では遭難が起きやすいという事実があります.

単独登山者
山岳遭難単独登山者

 警察庁が発表している2020年の山岳遭難概況による2697人の遭難者のうち,単独行であった人数は1086人(40.3%)と約半数を占めています.また単独登山者の遭難状況では死亡につながる遭難が多いことも報告されています.

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/R02sangakusounan_gaikyou.pdf

単独行の魅力は?

 リスクが高いと知っていても人はなぜ単独行に行くのでしょうか?単独行の魅力は何なのでしょうか?

単独行

 それは多く分けて次の4つだと思います.

 ① 自由に計画をたて自由に行動できる
 ② より自然を楽しむことができる
 ③ 他人に気を使わない・気にならない
 ④ 冒険感が強まる

①自由に計画をたて自由に行動できる

 自分の行きたい場所,行きたい期間,行きたいように行動できることが単独行の魅力です.

 複数人で行く場合にはみんなの行きたい場所を調整したり日程を調整したりなど本来自分が一番希望していた山行にならない可能性もあります.しかし単独行であればそんなことはありません.

 山行はあなただけのもので完全に自由です.

②より自然を楽しむことができる

 複数人で行く場合には会話をしたり,他人にペースを合わせたりなどゆっくりと景色や自然を楽しむことができません.ひとりで行くことでゆっくりとした時間が流れより自然を楽しむことができます.

自由

③他人に気を使わない・気にならない

 他の人と山行に行くと行動を相手に合わせたり,あるいは相手の意見を尊重したりなど気を使う必要があります.またテント泊などでは狭い空間に多くの人数がいるとストレスに感じることもあるでしょう.

④冒険感が強まる

 同じ行程,時間であったとしてもひとりでいくことで冒険感が強まります.何事もひとりで判断をする必要がありますし,まず自分が行動してみなければいけません.こういう点も単独行の魅力でしょう.

なぜ単独行だと遭難が多いの?

 単独行の魅力を紹介しました.しかし,最初に行ったように単独行の山岳遭難は多く,また死亡につながる遭難の割合も高いのが現状です.

 ではなぜ単独行だと遭難が多いのでしょうか?

クエスチョン

 それには下記のような理由があると考えます.

 ①状況判断に客観性が欠ける
 ②助けがない・要救助時に救助要請できない
 ③経験や知識の幅が狭まる

①状況判断に客観性が欠ける

 登山ではひとつの判断で命にかかわることが時折あります.単独行をする場合は当然のことながら何事も自分で判断しなければいけません.ひとりで判断するときには自分の意見しかないので客観性に欠け判断ミスをしやすくなります.

 例えば悪天候時や怪我をしたときの進退,道に迷った時の対応などです.これらの判断ではミスをすると遭難につながる可能性が高いです.

②助けがない・要救助時に救助要請ができない

 もうひとつ大きな問題として,けがをしたときや体調不良の時に助けが得られないということです. 誰かと登山をしていればけがや体調不良の時に荷物を持ってもらったり,肩を貸してもらったり,救助を呼んでもらったりすることができます. しかし単独行の場合にはそれらができず,最悪の場合そこから動けなくなって遭難します.

心臓発作

③経験や知識の幅が狭まる

 山行が順調に行っていれば問題ありませんが困難にあったときにひとりではわからないことが,相手がいればその相手が知っているかもしれません.また自分が行ったことないルートでも相手が行ったことあれば遭難の確率はぐんとさがるでしょう.

 こういう点でも単独行にはリスクがあります.

以上,単独行が遭難しやすい理由を解説しました.

 このような特徴は簡単な山行よりも難しい山行,短い山行よりも長い山行で起こりやすくなります.特に下記のような場合には,それ自体で遭難のリスクが高まるので可能な限り単独行は避けてパーティを組んで登山するようにしましょう.

絶対にやめた方がいい単独行!!
  • 初心者
  • バリエーションルート
  • 雪山

まとめ

 単独行についてまとめてきました.単独行はリスクの大きい山行です.でも魅力もたくさんあり必ずしも否定できるものではありません.単独行をする場合には知識・経験を積んでしっかりと情報収集してから臨むようにしましょう.

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