槍ヶ岳登山ルート紹介|北鎌尾根から槍ヶ岳に上ってみた!!

北鎌尾根に登ってみた アルパインクライミング
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槍ヶ岳って?

  登山をしない人でも槍ヶ岳という名前は聞いたことがあるでしょう.槍ヶ岳は北アルプスにある山で日本百名山の一つであり,標高3180mで日本で5番目に高い山になります.槍の穂先といわれる頂上は西洋でいうマッターホルンを思わせる鋭鋒であり,また東鎌尾根,西鎌尾根,北鎌尾根,南の穂高岳に続く稜線と四方から伸びてくる稜線も非常に美しく登山者の憧れの山となっています.

槍ヶ岳北面

一般ルート

 前述のように槍ヶ岳は四方から稜線が伸びておりそのいずれからも山頂を目指すことが可能です.ここでは一般ルートといわれる登山初心者でも目指すことが可能な整備された登山道を説明します.ルートによって難易度,日数などありますので変わってくるので自身の体力,登山経験を加味して選択してください.

槍ヶ岳ルート図
出典:槍ヶ岳山荘HP https://www.yarigatake.co.jp/climbing-info/route/
  • 新穂高コース(右俣)
  • 新穂高コース(左俣)(西鎌尾根)
  • 上高地コース
  • 表銀座コース(東鎌尾根)
  • 裏銀座コース(西鎌尾根)
  • 槍・穂高縦走路

新穂高コース

 岐阜県の新穂高から入るルート.槍平小屋から直接上るルートと西鎌尾根に上がって登るルートがあります.槍平小屋から上るルートはコースタイム17時間程度と一泊二日でも登ることもできます.

上高地コース

 上高地から梓川沿いを歩いて,横尾から槍沢を歩く人気ルートです.新穂高ルートに比べると平地歩きが多いため距離は伸びますが,標高差1700mほどであり最初に取りつきやすいルートになります.コースタイムは20時間ほどですが体力のあるパーティなら一泊二日でも上ることができます.

表銀座コース

 燕岳,大天井岳(おてんしょうだけ),西岳と縦走して東鎌尾根から槍ヶ岳に登るルートです.稜線の美しさを満喫しながら徐々に大きくなる槍ヶ岳を展望する縦走ルートになります.二泊三日~三泊三日程度が必要になります.

裏銀座コース

 高瀬ダムから北アルプス三大急騰のブナ立尾根を登り,烏帽子岳,野口五郎岳,水晶岳,鷲羽岳,三俣蓮華岳,双六岳と百名山2つ,二百名山1つ,三百名山2つを縦走して槍ヶ岳に至るルートです.三泊四日~四泊五日かかる大縦走ルートですが徐々に大きくなる槍ヶ岳を展望しながらの縦走はきっと最高でしょう.

槍・穂高縦走路

 日本百名山であり標高第三位の奥穂高岳から槍ヶ岳まで,日本三大キレットのひとつ大キレットを経由して日本最高の稜線を歩く難関ルートです.これまでのルートと比べると難易度は上がりますが登山者なら一度は行ってみたい憧れのルートです.

ルート案内 | 槍ヶ岳登山情報 | 槍ヶ岳山荘グループ
槍ヶ岳登頂には上高地・新穂高温泉・中房温泉の3ヶ所からのアプローチ方法があり、6つのコースがあります。

バリエーションルート ー北鎌尾根ー

北鎌尾根 全体像

 次に紹介するのはバリエーションルートである北鎌尾根です.

 バリエーションルートというのは聞きなれないかもしれませんが,一般ルートよりも体力・技術的に難しいルートになります.岩登りなど登攀の要素が出てきてロープが必要になったり,登山道として整備されていない道を進んだりします.実力が伴わない場合には滑落など事故につながることもあります.

 槍ヶ岳にも複数のバリエーションルートがありますが,北側に一直線に伸びる北鎌尾根に行ってきました.北鎌尾根は「孤高の人」で有名な加藤文太郎が遭難したルートとしても登山界隈では有名なルートです.今回は地図及び画像を添えて紹介していきます.

北鎌尾根 - Wikipedia

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加藤文太郎を主人公にした新田次郎の小説です!北鎌尾根に行く前にぜひ読みましょう!!

アプローチ

 北鎌尾根にアプローチするには3つの方法がある.比較的アプローチしやすいのが1.2.になる.

  1. 上高地から入山し水俣乗越経由で天上沢にでるルート
  2. 大天井岳から貧乏沢をくらだり天上沢まででるルート
  3. 高瀬ダムから入山し高瀬川沿いに湯股までいきそこから千天出合まで徒渉・沢登りをするルート

 今回は1.のルートについて解説する.

上高地~水俣乗越~北鎌沢出合

上高地~水俣乗越 コースタイム 4:57

水俣乗越~北鎌沢出合 コースタイム 1:44

 上高地から水俣乗越までは一般ルートである.水俣乗越で天上沢方面にはトレースがあるがロープがはってあり一般登山者が入れないようになっている.ここでヘルメットを装着し天上沢方面に下る.植生があるが基本は崩れやすい土で木の根っこをつかみながらバランスをとって下っていく.

北鎌沢出合
北鎌沢出合
水俣乗越の標識

 ある程度下るとガレ場にでる.ガレ場を1時間ほど下ると北鎌沢出合に到着する.この下りのガレ場が思ったよりもきつい.下っている最中に北鎌沢出合っぽいところが何回も出てくるが,北鎌沢出合はわかる.

 北鎌のコルまで出て幕営するパーティもいるが多くのパーティは北鎌沢出合で幕営していた.体力的にも初日に北鎌のコルまで出るのはなかなかハードと思われる.キャンプファイヤーをしているパーティも散見された.

北鎌沢出合~北鎌のコル

 北鎌沢出合~北鎌のコルの先 コースタイム 2:29

 2日目の鼓動時間は長時間になることが予測されたので3時起床,北鎌沢出合発を4時とした.北鎌のコルを目指して北鎌沢右俣を登る.北鎌沢を30分ほど登ったところで沢があり水の補充も可能だった.ガレた岩場を登っていく.登攀とまではいかないが大きめの岩場もありお助けひもを使ったり後ろから押してもらったりして登っている人もいた.上部の方に行くと花畑になっている.このあたりで道がわかりにくくなる.途中二股の位置があるが正解は右のルートで登りやすそうな左に行くと北鎌のコルより一峰先のコルに出る.ここにもテントを2張ほどはれるスペースがあった.

北鎌のコル~独標

 北鎌のコルの先~独標 コースタイム 2:09

 北鎌のコルからはいよいよ独標への上りとなる.草付きの踏み跡があるのでルートファインディングは優しい.標高が上がると基本的にはガレたりザレたり足場は悪くなる.独標までは基本的には千丈沢側に巻きながらピークを過ぎ去っていく.有名な逆「コ」の字のトラバースもここにある.成人男性が立ち上がるスペースはないので膝をつきながら進んでいく.独標までは千丈沢側にまいてから登っていく.ここ登りの高度感がある.独標まで登るとようやく槍の穂先が展望できる.

北鎌尾根 逆コの字
逆「コ」の字
北鎌尾根 独標
独標
北鎌尾根 独標からの展望
独標からの展望

独標~槍の穂先

  独標~北鎌平 コースタイム 2:21

 北鎌平~槍の穂先 コースタイム 1:31

独標からの北鎌平までのルートは特段難しいといったところはない.どんどん近づいてくる槍ヶ岳を展望しながら気持ちよく歩ける.ただ足場が悪いのと,このあたりからは正しい踏み跡と別に怪しい踏み跡もあるのでパーティでルートファインディングを行うことが必要となってくる.北鎌平を過ぎると岩稜帯を進む.最後に数m程度の凹角あらのチムニーを超えられば槍の穂先の祠のうらに到達する.一般ルートからの登山者が祠に行列を作っている中飛び出すのがまた気持ちいい.

北鎌尾根 最後のチムニー

まとめ

 総距離 42.1km  総高低差 3345m
 バリエーションルートということで筆者らはロープを持っていきましたがソロかつロープなしで登っている人もたくさんいました.ルートの難易度としては三点支持がしっかりできればそれほど高くないかもしれません.よく西穂~奥穂間のジャンダルムと比較されますが足場が悪い分北鎌尾根の方が難しい気はします.しかし,非常に長い尾根になり行動時間が10時間を超えるので体力は必要となってきます.また厳冬期になるとルートのグレードは格段に上がってくるでしょう.

おわりに

 槍ヶ岳の各種ルート,バリエーションルートである北鎌尾根について紹介しました.登山は危険を伴うスポーツであるためしっかりと実力・知識をつけてから憧れの槍ヶ岳に挑戦しましょう!

コメント

  1. […] […]

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