裏同心ルンゼ~小同心クラック|アイスクライミングのシーズンはじめや初心者におすすめの1本

アイスクライミング
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 アイスクライミングは冬山で楽しめるアクティビティのひとつです.全国にアイスクライミングができるエリアは沢山ありますが,その中でも八ヶ岳は一大エリアでシーズンになると多くの人で賑わいます.

 裏同心ルンゼは八ヶ岳の中でも一番早く氷結するルートで,グレードも手ごろなためシーズンの初めの1本におすすめです.今回は,そんな裏同心ルンゼと,裏同心ルンゼから継続可能な小同心クラックについて紹介していきます.

裏同心ルンゼ
  • 八ヶ岳で一番早く氷結する
  • Ⅳ級程度までの手ごろなグレードでシーズンはじめの足慣らしに最適
  • 易しい滝もあるので初心者でも安心
  • 大同心・小同心のバリエーションルートに継続登攀できる

裏同心ルンゼ

 冬の八ヶ岳には一般的な登山だけではなく,ロープを使ったクライミング的な登山が楽しめるバリエーションルートと呼ばれるルートを楽しむクライマーが沢山あつまります.その中には2本のアックスとアイゼンを使って氷を登るアイスクライミングができるエリアも多くあります.

 裏同心ルンゼは南八ヶ岳の横岳西面にあるルンゼで,巨大な岩峰である大同心へとつながる大同心稜の北側にあります.八ヶ岳で1,2位を争う人気のマルチピッチアイスクライミングルートです.

 他のエリアと比較して凍結するのが早く年によっては11月の末から登ることができます.またグレードもⅣ級と手ごろで初めてのアイスクライミングでも十分楽しめます.経験者でもシーズンはじめの足慣らしにおすすめです!ガイドの講習なんかにも使われています.

 八ヶ岳にはアイスクライミング以外にもバリエーションルートが沢山あります.赤岳主稜や阿弥陀北稜などは入門的な岩登りのルートです.興味のある人は下記のリンクもご参照ください.

アプローチ

 裏同心ルンゼとはじめとした八ヶ岳西面のバリエーションルートの多くは赤岳鉱泉をベースとして登ることができます.赤岳鉱泉は冬でも営業しているありがたい山小屋です.名物のステーキで舌鼓を打つのもまた一つの楽しみ方です.

初冬の赤岳鉱泉

 赤岳鉱泉から硫黄岳方面の登山道を進み,2本めの沢筋が裏同心ルンゼです.沢筋に入ってからはまっすぐ遡行していきます.

 一般的には12月初めにはもう積雪がありますが,筆者が行った2022年は例年よりも降雪・氷結が遅く12月1週目でも雪はほとんどありませんでした.シーズンの早い時期に行くと降雪量が少なくアプローチも容易です.逆に年末くらいには雪は増えアプローチも大変になりますが,人気のルートなのでどの時期に行っても基本的にはトレースはあると考えてよいでしょう.

 裏同心の出合から200mほど標高を上げると少しずつ滝が出てきます.最初の滝がF1でここから5つの氷瀑が連続して姿を現します.

F1

ルート紹介

 筆者たちが行った2022年12月1週目は近年まれにみる氷結の悪い年でしたが,それでもギリギリ登れるコンディションでした.通常であれば12月に入れば普通に登れるはずです!

F1

 裏同心ルンゼ最初の滝であるF1は15mくらいの易しい氷瀑です.ここが凍結しているようであればこの先も快適に登れます.初心者こそアンザイレンが必要ですが,慣れた人ならフリーでも抜けられます.

F2

 F2は3段になった滝で30mほどの長さがあります.70-80度ほどの傾斜で長さもありF1と比べると登りごたえがあります.各段の乗越の所はしっかりとプロテクションをとって登るようにしましょう.

F2 全体像
F2

 F3は10mほどの滝で70度くらいの傾斜があります.

F3

 F3を抜けて沢筋をしばらく歩くとナメ滝が姿を現します.これがF4です.F4は雪が降るとすぐに埋まってしまうので時期によっては気が付かないかもしれません.

初冬はラッセルがなく沢をつめるのも容易

 F4とF5は連続していてF4のナメ滝を越えた先にある傾斜の強い滝がF5です.

F4 ナメ滝

 F5は幅の広めの滝でいくつかのラインを選べます.70度くらいの易しめのラインからバーチカルなものまであるので実力にあったラインを登りましょう.

 裏同心ルンゼはF6までありますが,F5までで終了し大同心稜にあがるパーティが多いです.F5を抜けたあたりから左岸のルンゼ・草付き帯を登って大同心稜にあがることができます.

F5

裏同心から小同心クラックへ

 裏同心ルンゼはアイスクライミングの入門的な立ち位置にあるルートで早いパーティなら2-3時間で抜けてしまいます.その場合は大同心や小同心の岩登りのルートと継続することでより楽しめます.

大同心稜への登りのルンゼ

 F5を登り切った後は右手の草付き帯にあるルンゼを登っていきます.ルンゼを抜けるとガレた斜面に出ます.このガレ場を大同心稜まで登っていきます.大同心稜からは大同心雲稜,南稜,小同心クラックなどへアプローチ可能です.ちなみに裏同心からは大同心北西稜にも継続できますが,その場合はアプローチが若干異なります.

大同心稜へガレ場を上がる

 小同心クラックはⅣ~Ⅴ級程度の岩登りのルートで3ピッチと短いですが小同心の頭にでることができます.大同心・小同心界隈ではグレード的に一番登りやすく人気です.

初冬で小同心にはまだ雪がついていない

 12月の初めだとまだ雪がついていない場合もあります.傾斜は強いですが,いいホールドが豊富にあるぐいぐい登れる気持ちのいいルートです.

 無雪期ですが小同心クラックのルート紹介も行っています.興味のある人は参考にしてみてください!!

まとめ

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