一般登山や縦走,スキーやアイスクライミング...冬の山岳エリアで行われるアクティビティはいくつかありますが,その中に厳しい環境の中で険しい岩壁を登るアルパインクライミングと呼ばれるものがあります.ウインタークライミングや冬季登攀,冬壁などと呼ばれることもあります.
今回はそんなウインタークライミング好きが集まるウインタークライマーズミーティングと呼ばれるイベントにはじめて参加してきましたので概要を紹介していきます.
ウインタークライマーズミーティング(WCM)
ウインタークライマーズミーティング(WCM)は2008年より開催されている催しで全国各地に散在するいろいろなアルパインクライマーと交流を深める目的で始まりました.世界的なクライマーである馬目弘仁氏と横山勝丘氏がBMC(イギリス登山集会)に参加した際に,ロープをつないで一緒にクライミングをする場が日本にも必要と考え始めたとのことです.2024年現在で開催は16回を数え,北アルプスをはじめ全国各地の岩場で開催されています.
多くのクライマーが参照している冬期クライミングのトポである「新版冬期クライミング」はWCMのメンバーも協力して作成されています.また過去のWCMにはクライミングをやる人であれば聞いたことがあるようなクライマーたちが主だって参加してます.
足尾の岩場
2024年のWCMは栃木県日光市にある足尾の岩場で開催されました.足尾では過去に何度か開催されたことがあるようですが今回は久々の開催でした.
足尾には松木沢沿いにいくつもの岩壁や岩峰が存在しており,登られているものもあればまだ人の手の入っていないものも多くあります.ルート数も多く,アプローチも近いことからアルパインクライミングのゲレンデとして地元のクライマーたちに愛されています.もちろんクライミング自体も充実するルートが多くあるのは言わずもがなです.
概要
ここからはWCMの概要を紹介していきます.
1日目
今回のWCMは運営スタッフ(もちろんクライマー)を入れて50人の大所帯でした.筆者は初参加のため例年の様子はわかりませんが類を見ないくらい多かったようです.20代~60代まで幅広い年齢のクライマーが集まりました.
最初に簡単な説明があり,その後各々事前に割り振らたルートへ向かいます.WCMの趣旨のひとつであるように,はじめましての人同士で組んでいるパーティも少なくありません.
筆者たちが割り振られたルートは松木沢ジャンダルムにある中央ルンゼルートでした.足尾の岩場の中ではベーシックなルートで初めての足尾でしたがとても楽しめました.中は5.10aなど高グレードのルートに挑戦してるパーティもいました.
懇親会
クライミングを終えてベースキャンプに帰幕すると,ありがたいことに運営スタッフの方が夕食を準備して待ってくれています.帰ったパーティから夕食を食べつつ宴会のスタートです.遅くなるパーティもいますが,ある程度人がそろったところでスライドショーが始まります.
スライドショーが終わると宴もたけなわかと思いきや,まだまだ夜は長いです.24時くらいになるとようやくちらほら人が減りだしますが話は尽きません.ちなみに若者たちは3時くらいまで起きていたようです.
2日目
2日目はさすがにみんなゆっくり目に起きだし,これまた準備していただいた朝食を食べだします.クライミングは1日目と違ってパーティが決められていたり,ルートが割り振られていたりするわけではなく自由に登ります.もともとの知り合いと登ったり,懇親会で知り合った人と登ったり,もちろん登らずに帰ったりなど各々動きます.
帰宅の時間もあるためか2日目はジャンダルムや幕岩などアプローチの比較的近い岩場が人気でした.準備のできたパーティから三々五々岩場に向かっていきます.筆者は1日目と同じくジャンダルムに向かい左ルート~直上ルートを登りました.
さいごに
今回,WCM16に参加することで多くのクライマーと知り合えました.クライミングの技術的なものは人によって差がありますがモチベーションはみんな高く登っているときも懇親会でもひたすら山の話をしていました.そういった点でもとても刺激になりました.また運営をしていただいたクライマーの皆さんは自分の登る時間を削って対応していただいた本当にありがたかったです.
とても素晴らしい催しなので今後もWCMが継続されていたたらいいなと思います.
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