はじめての岩登り|クライミングを学んで登山の幅を広げよう!

クライミング 無雪期登山
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 クライミングと言われるとそびえたつ岩壁を登るイメージがあって,一般登山者からは遠いところにある印象があると思います.

 しかし,実は登山とクライミングは切り離せない関係にあるのです.クライミングができれば登山の幅が広っていままで登れなかったような山への挑戦権を手にすることができます.

 ここでは一般登山者がクライミングをはじめられるように登山とクライミングの関係や実際の始め方を紹介していきます.

このページを読んでほしい人
  • 岩稜帯歩きに不安がある..もっと安定して歩けるようになりたい!
  • 鎖場の通過が不安..
  • 登山の幅を広げたい!レベルアップしたい!
  • クライミングをやってみたい!
  • バリエーションルートに行ってみたい!

クライミングってそもそも何?

 クライミングといって一番イメージしやすいのはボルダリングでしょうか.東京オリンピック2020で競技となったスポーツクライミング女子で銀メダル,銅メダルと獲得したのは記憶に新しいと思います.

 クライミングは端的にいうと「登ること」です.垂直に近い地形や建造物を登ることです.

ロッククライミング

 もちろんジムや屋内でやるボルダリングもクライミングのひとつには違いありませんが,それがすべてではありません.山域で岩登りを行うロッククライミングや氷の壁を登るアイスクライミング,沢登りなどいろんな楽しみ方があります.

登山者にクライミングって関係あるの?

 昨今の登山ブームの中で多くの人は一般登山道を登って山の頂を目指すピークハントが主な目的だと思います.そのような人たちは

 「登山をするのにクライミングって必要なの?」

という疑問があると思います.

では私の方からも一つ質問をさせてください.

 「登山中に大きい岩場を手を使って登ったことはありませんか?」

 この質問の対しては多くの登山者が「yes」と答えると思います.実はこの行為自体も広く言えばクライミングに含まれるのです.つまり多くの登山者はすでにクライマーなのです.

山での後ろ姿

 槍ヶ岳や穂高岳,剱岳をはじめとして日本の多くの山では岩稜帯を進むことになります.そこでは歩いて乗り越えることができる岩場だけではなく,手を使って三点支持をしなければなりません.そのような岩場に出くわしたときにクライミングの経験があれば安定して進むことができるでしょう.またクライミングの経験があればさらにレベルの高い山に挑戦することができるでしょう.

 登山者がクライミングを学ぶことで登山の幅を広げることができます.

クライミングをすることで広がる登山の幅
  • 安定して岩稜帯や鎖場を進むことができるようになる
  • 槍ヶ岳,穂高岳,ジャンダルム,剱岳などレベルの高い山に行くことができる
  • バリエーションルートに挑戦できる

なぜ登山者はクライミングをやってほいた方がいいの?

 登山者がクライミングをすることで登山の幅が広がることは前述しました.

 ではクライミングをすることは実際にどのような点で登山に有利に働くのでしょう?

筆者が登山者にクライミングをおすすめする理由
  • クライミングで三点支持・重心の動かし方を覚える
  • クライミングムーブで効率的に動くことができる
  • ロープワークを習得できる

クライミングで三点支持・重心の動かし方を覚える

 通常の登山とクライミングの大きな違いは手を使うかどうかという点です.登山でも急な斜面や鎖場,はしごでは手を使うこともあるでしょう.

 しかし,これは手の力で登るというわけではなく,あくまでも体を支え次の一歩の足掛かりにするためです.

東鎌尾根
東鎌尾根の核心「窓」

 両手両足のうち三本で体を支え,自由になった一本を前または上に動かし次はその足(手)に体重を乗せる.このような三点支持を行うことで普通に立つよりも安定感があり,また次の一歩を慎重に出すことができます.三点支持と通常の歩行では高度感のある場所や不安定な岩場での安心感が全く違います.

 

クライミングムーブで効率的に動くことができる

 三点支持をする際,どうしても最初は手の力で体を引き付けて登りたくなります.しかし,このような登り方ではすぐに手の力が入らなくなってしまいます.三点支持でも基本は通常の歩行と同じように足の推進力や重心移動を利用して進んでいくのです.

 クライミングの練習をすることでこの点を学ぶことができ,効率よく動くことができ,より疲れにくく岩場を進むことができます.結果としてよりレベルの高い山にチャレンジすることができます.

下記のリンクでは非常にわかりやすくこの点がまとめられているのでご参照ください
 ↓↓↓

登山のための岩登り 山岳ガイド・ミキヤツ登山教室 webスクール
八ヶ岳ミキヤツ登山教室で行う、岩登り・クライミング講習の利用法。

ロープワークを習得できる

ロープワーク

 最後にこれはクライミングの副次的な効果ですがロープワークを習得できるという利点があります.

 どんなに山の技術が高い人でも滑落の危険がある場所には一人ではいきません.2人以上でお互いをロープで確保(落下してもロープで支えることができる)しながら進んでいきます.

 このようなロープワークを身に着けておくことは登山の幅を広げるだけではなく,いざというときにみの安全を守ることにもつながります.

クライミングはどうやってはじめたらいいの?

 登山をするすべての人にとってクライミングの技術を身に着けるメリットがあることを解説しまいした.では実際にクライミングをはじめようとしたときにどのようにはじめたらいいのでしょうか?

①ボルダリングジムに行ってみる

 一番手っ取り早く今日からでもできることは,最寄りのボルダリングジムに行ってみることです.

 ボルダリングジムなんて近くにないよ!と思われる方もいるかもしれませんが,実は昨今ブームが来ていてボルダリングジムは増加しています.

ボルダリングジム
ボルダリングジム

 なんと2020年時点で全国に666のボルダリングジムがあり,この数は皆さんご存じのスシローよりも多いんです!!!(https://www.akindo-sushiro.co.jp/shop/

クライミングジムは何軒あるか 全国ver. (2020年5月)
6年ほど前に「クライミング市場動向シリーズ」として、1. ジム店舗数2. 競技人口推定3. 他スポーツとの比較という一連の記事を書きました。この記事は良くも悪くも大きな反響があり、振り返るとこのブログmickipediaを広く知ってもらえる

 これを見ると実はクライミングが身近なスポーツであることがわかりますね.実際,スポーツクライミングのひとつであるボルダリングは初心者でも簡単にはじめられるのでぜひ身近なジムに立ち寄っていてください.

②ガイド山行に参加している

 次の選択肢としてはガイドが開催しているクライミング講習やガイド山行に申し込むことです.

 登山およびクライミングのプロである山岳ガイドさんから直接技術を学ぶことができるのでおすすめです.ガイド山行では実際に岩場を登りながら学ぶこともできるので楽しいお思いますよ.

 ただ費用がそれなりにかかる点に注意が必要です.

③山岳会に入会してみる

 最後に山岳会に入会するというのも一つの方法です.

 山岳会は,同じ登山という趣味をもった人が集まるグループで,ベテランが初心者に技術を教えたりお互いに技術を高めあったりして成り立っています.おそらくどの山岳会も初心者でも歓迎してくれるでしょう.

 ただ山岳会によっては自分がやりたい内容とやっていることが違っていたり,山行に行くまでに時間がかかったりするので事前に確認が必要です.

 以上①~③を表にまとめてみました.

クライミングジムガイド講習会/山行山岳会
時間
今日からでも可能

講習会や山行の空き具合による

時間がかかることが多い
効率△~○
岩場とは違う点もある
△~○
プロから直接教われるが,
繰り返し行く必要がある

身につく技術を継続的に学べる
費用○~◎
行く頻度による
×
高い
△~○
入会費など会による
クライミングの始め方

まとめ

 クライミングの技術があると登山の幅を広げることができます.登山とクライミングは一見別物のように見えて切り離せない関係にあるのです.クライミングは思ったよりもずっと身近なところにあります.あなたもクライミングをはじめて登山をさらに楽しんでみませんか?

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