クライミング初心者が最初に知っておくべきいくつかのこと|クライミングの種類・分類

クライミングの種類と分類 アルパインクライミング
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 オリンピックの競技にもなり「クライミング」という言葉を耳にする機会が増えました.これを機に実際に自分でもクライミングをはじめてみようという人もいるかもしれません.

 でも「ボルダリング」とか「リード」とか「スピード」とかいろいろ言葉があってよくわからない.そもそもクライミングってどんな競技なの?

 今回はそんな疑問にお答えしようと思います.

そもそもクライミングって?

 クライミングとは日本語では登攀といい,手や足などの自分の体,あるいは登攀用の道具を使って垂直に近い地形を登ることをいいます.体力や技術はもちろん必要ですが,クライミングでは頭も使う必要があります.どのホールドを使うか,手を置くか足を置くか,体の向きはどうするかなど体と頭を巧みに使って,少しでも高いところを目指すというのがクライミングの醍醐味です.

 現在ではオリンピックの競技になったり,身の回りにボルダリングジムがあったりなどスポーツクライミングが身近ですが,元々は山の登頂を目指すことがクライミングの原点です.その中で方法や装備,ルートなどの「頂上に至った経緯」にも注目がいくようになりアルパインクライミングが行われるようになりました.そこから派生して,山の頂を目指すのではなく純粋にクライミングを楽しむスポーツクライミングが生まれました.

 このように一口にクライミングといっても色々な方法,目的,対象があります.それらについて紹介していきたいと思います.

 山と渓谷社からクライミングの専門雑誌も刊行されています.

ROCK & SNOW 092 | 山と溪谷社
スポートクライミングからトラッド、アルパインクライミングまで、世界最先端のクライミングシーンを網羅する 【第一特集】会心の登攀2021 【第二特集】私の愛用ギア

クライミングの分類と種類

スポーツクライミング

 本来山の頂を目的とするのではなく,自分の体のみで登り,純粋に登ることを楽しみ,登る技術を高めるようになった競技がスポーツクライミングです.ボルダリングやフリークライミングという種目があり競技会なども行われます.オリンピックの競技としても注目されています.屋外の岩場で行うこともあれば,屋内の人工壁で行うこともあります.

https://sports.nhk.or.jp/olympic/guide/sport-climbing/
ボルダリング

 ボルダリングという言葉は聞いたことがあるでしょう.最近はボルダリングジムも増えておそらく身の回りにも何件かあることでしょう.

 ボルダリングは3-5m程度の高さの岩場を道具を使わずに自分の力と技術だけで登る競技です.ロープによる確保は行わずに,下にマットレスをしいて転落に対応します.一見パワー勝負な競技に見えますが,それ以上に動き方やバランスなどが重要で,ボルダリングジムなどでは小学生くらいの子供から楽しんでいる姿をみかけます.

 オリンピックの競技でいういと「ボルダリング」に該当します.課題ごとに使えるホールドが決まっておりスタートとゴールが設定されています.ホールドの数や位置,形,壁の傾斜などによって何度が変わってきます.

ボルダリング壁と課題
そもそも、ボルダリングってなに?
そもそも、ボルダリングってなに?:ボルダリングは、「ボルダー」と呼ばれる巨大な石っころを登って楽しむ、ロッククライミングのひとつのジャンルとしてはじまりました。山や河原、海岸などへ行くと、小型自動車からマイクロバス程度の大きな石が転がっていますよね。これらの巨石を英語で「ボ
フリークライミング

 フリークライミングはボルダリングよりも高さのある壁をロープによって確保を行いながら登っていきます.ルートクライミングともいいます.オリンピックの競技でいうと「リード」と「スピード」に該当します.ルートクライミングも壁の上部でロープを固定しつられる形になる「トップロープクライミング」と自身で支点をとりながらロープをあげていく「リードクライミング」に分けられます.

リードとトップロープ
トップロープクライミングとリードクライミングの違い
外岩でのクライミング風景
外岩でのクライミング風景
ロープを使ったクライミングもやってみよう
ロープを使ったクライミングもやってみよう: ボルダリングで登り方の基本がわかったら、次はロープを使ったクライミング(ルートクライミング)にも挑戦してみましょう。ルートでのクライミングは、クライマー(登る人)と、ビレイヤー(クライマーが墜落しないようにロープを確保する人)がペアになっ
マルチピッチクライミング(フリークライミング)

 マルチピッチクライミングは種目というよりは登り方のスタイルです.フリークライミングのルートで1つの壁(ルート)を登るのをシングルピッチといいますが,マルチピッチでは連続したルートを登っていきます.クライミング技術はもちろんのこと,体力やロープワークも必要になってきます.

アルパインクライミング

 アルパインクライミングでは山岳地域での岩稜,雪稜,岩壁,氷壁などすべてが登攀の対象となります.スポーツクライミング以外のクライミングはすべてアルパインクライミングになりますが,一般的に山岳地帯で行われるクライミング全般をアルパインクライミングと考えて問題ありません.バリエーションルートとしても楽しまれています.

 アルパインクライミングで山岳地帯で行うため単純な登攀技術だけではなく,体力,ルートファインディング能力,安全確保,ロープワークなど多様な能力・技術が求められます.

 アルパインクライミングではその登る対象やスタイルによって分類することが可能です.

登る壁の違い

ロッククライミング

 フリークライミングと同様に岩壁を登ります.ですがアルパインクライミングには人工登攀と言われる道具をつかった登攀も含まれます.

御在所岳のロッククライミング 一壁
御在所岳のロッククライミング 前尾根
アイスクライミング

 アイスクライミングでは氷壁や氷瀑を登ります.ロッククライミングとは違い手足で登ることはできないのでアックスやアイゼンといった道具を氷の壁に打ち込んで登ります.

アイスクライミング
アイスクライミング
ミックスクライミング

 ミックスクライミングでは岩と氷,雪が混じりあった壁を登ります.氷河のあるヨーロッパアルプスで行われている登攀に近い形で日本では冬期に行われます.

 下記では冬期八ヶ岳の人気バリエーションルートである赤岳主稜と阿弥陀岳北稜を紹介しています.

沢登り

 沢登りも登山の一種です.普通の登山が尾根や枯れ沢を行くのに対して水のある沢や滝を登って上に向かいます.基本的なロッククライミングの技術も求められますが沢を歩くという特徴から沢登り独自の技術も必要になります.

【沢登り入門編】沢登りの魅力とは?初心者に必要な基礎知識もご紹介!
沢登りは、普段見られないよう絶景を見ることができ、冒険心をくすぐる登山ができます。一方で沢登りは、危険が多い登山なので、入門者はしっかり準備をする必要があります。沢登りの魅力と、入門者に必要な基礎知識、服装や必要な装備について紹介します。

スタイルの違い

マルチピッチクライミング(アルパインクライミング)

 マルチピッチクライミングはアルパインクライミングの基本です.フリークライミングと同じように50-60mほどのロープを使って登れるピッチを繰り返します.連続してクライミングを行うこともあれば,途中は山道あるきということもあります.そうしてピッチを重ねつつ山頂を目指します.

ビッグウォールクライミング

 ビッグウォールクライミングは1000mを超える巨大な岩壁を何日もかけて,数十ピッチを登るスタイルです.主にヨセミテなど海外に代表されます.

まとめ

 クライミングの種類とその分類について紹介してきました.一口にクライミングと言ってもたくさんの種類があり,クライマーたちは各々のライフワークをもって楽しんでいます.あなたはどのクライミングをやってみたいですか?

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