ボルダーであれ,リードであれクライミングをする人であれば一度は行ってみたいエリアが小川山です.小川山にはボルダーも,リードも,マルチピッチもたくさんのルートがありクライマーを楽しませてくれます.
今回はそんな小川山の中から初級者におすすめのマルチピッチクライミングルートである屋根岩2峰セレクションルートを紹介していきます.
目次
小川山クライミングエリア
クライマーたちに「小川山」と言われるクライミングエリアは実は「小川山」とは少し離れた金峰山川に沿った廻り目平周辺にあります.なので正式名称は「廻り目平周辺の岩場」や「金峰山川西俣沢」ということになりますが,クライマーの中では「小川山」が完全に定着しています.
小川山は長野県南佐久郡川上村にあり,中央道長坂ICから50分ほどで到着します.5月~10月のシーズンにはクライマーだけではなく一般のキャンパーなども集まり多くの人でにぎわいます.
小川山がクライマーたちに長く愛されるのはそのルートの多さにあります.クライミングのエリアは廻り目平近辺,金峰渓谷,屋根岩,西俣沢対岸,八幡沢近辺など大きく5つに分かれており,ルートの総本数は700本程度と言われています.
今回紹介するセレクションルートは6つのピークからなる屋根岩のうち2峰にあります.
屋根岩2峰セレクションルート
セレクションルートは廻り目平から30分程歩いて到着する屋根岩2峰にある6ピッチのマルチピッチルートです.その内容はクラック,スラブ,チムニー,フェイスなど多様性に富んでおり様々なクライミングを楽しむことができます.
グレードは5.7-5.9程度とガマルートや春の戻り雪などの入門ルートよりはやや難しめですが,フォローであれば初めてでも十分登ることができます.
終了点や2P目にはハンガーボルトがありますが,クラックのピッチではプロテクションをとるのにカムが必要となるので準備しましょう(キャメロットC4であれば#1~#3があればよいです).
どんなクライミングカムを選べばいいかは下記のページで紹介しています!!
↓↓↓
1ピッチ目 クラック 5.8
1P目は非常に短く数mのハンドクラックのルートです.
ジャミングはやや効かせづらいかもしれませんが,いい場所を選んで2手ほどハンドジャムで登ればガバホールドがつかめるのでそれほど苦労はしないでしょう.
2ピッチ目 ダイヤモンドスラブ 5.8
最初の核心が2P目のダイヤモンドスラブです.
ガバホールドはなく,スラブ上のちょっとした凹凸を頼りに登っていきます.足にしっかりと乗れれば問題なく登れますが,長いルートでありボルトがやや遠いのも重なって終始緊張感のあるピッチになります.
3ピッチ目 トラバースからチムニー Ⅳ級
ダイヤモンドスラブを登り切ったら切り立ったフェイスにぶつかります.このフェイスを登るのが「おてがらブルースさん(5.12c)」や「蜘蛛の陣十郎(5.12c)」になります.セレクションルートではこのフェイスは登らず手前をトラバースして右方にあるチムニーを登ります.
チョックストーンの手前を登るのはやや難易度があがりますが,奥の方はホールドも多く安心して登れます.登り切ったら木で支点をとってピッチを切ります.
4ピッチ目 クラック~フェイス 5.8
4P目は短いオフウィズスクラックからフェイスに出ます.このフェイスに出るところがやや難しくこのピッチの核心です.手前にボルトが打ってあるのでランニングをとって思い切って登りましょう.クラックを直上する登り方と,左のフェイスの細かいステップを使う登り方があります.
短いフェイスを抜けたら凹角を登り木で支点を作れビレイします.
5ピッチ目 トラバース 5.7
5P目は左にトラバースして再び2峰の正面に出ます.
ここでトラバースをしないでルンゼに沿って登っていくとエスケープルートになっていて5,6Pを飛ばしてセレクションルートの終了点にたどり着きます.
6ピッチ目 ハンドクラック 5.9
最終PはY字に分かれたクラックです.出だしはレイバック気味に登ります.分岐を右に進む方が難易度は低いですが,左のハンドクラックもしっかりとハンドジャムが効くため安定して登ることができます.
徐々に傾斜が緩くなるクラックを登りきると終了点にたどり着きます.正面に太い気があるのでここでビレイしましょう.
2峰からは3峰,4峰を眺めることができます.10月であれば一面に広がる紅葉を満喫できます.また3峰の正面には同程度の難易度の「南稜レモンルート(5.8)」もあり登っている人がみえるかもしれません.
まとめ
屋根岩2峰のセレクションルートを紹介してきました.
クラック,スラブ,フェイス,チムニーと多様なクライミングを楽しむことができる素晴らしいルートなのでぜひトライしてみてください!!
小川山にはたくさんのルートがあります.日本100岩場にはエリアごとに岩場の紹介をしておりクライマー必携の一冊です!!ぜひ参考にしてみてください.
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