【おすすめ書籍】ピート・ウィタカーのクラッククライミング|クラックをはじめよう!!

クラッククライミング ギア紹介
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 「クラッククライミング」

 ロッククライミングをやる人が必ずぶつかる壁がクラッククライミングです.

 フリーなりアルパインなりクライミングをしているとルートの途中でクラックに出くわすことがあります.その時は「なんとなく」通過することができるけど,いざクラックのルートに行くと全然登れない...そんな経験はロッククライマーなら一度はあると思います.

 そんな皆さんに朗報です.ついに待望のクラッククライミングの参考書がでました!!

 「ピート・ウィタカーのクラッククライミング」

 今回はこの本について紹介していきたいと思います.

本書をおすすめの人
  • これからクラッククライミングをやる人
  • すでにクラッククライミングをやっている人
  • クラックが登れなくて悩んでいる人
  • そして,ロッククライミングをするすべての人

クラッククライミングって?

 昨今オリンピックの影響もありスポーツクライミングの流行の波が来つつありますが,同じスポーツクライミングでもジムで行うクライミングと岩場で行うクライミングの違いの一つにクラッククライミングがあります.

 ジムではホールドをつかんで登っていきます.もちろん岩場でもホールドをつかんで登っていくこともあります.しかし人工的なクライミング壁と自然の岩場では決定的な違いがあります.

クラックとは岩の割れ目のことである.

 クライミングの岩場でなくてもかまいません.みなさんは岩にひびや割れ目がはいっているのを見たことがありますか?「クラック」というのは岩に入ったひびや割れ目のことをいいます.

御在所岳の中尾根
御在所岳の岩場

 上の写真はアルパインクライミングの岩場として有名な御在所岳の写真です.中尾根はクラッククライミングのルートとしても人気があります.

 岩場でのクライミングではホールドだけではなく,こういったクラックも利用しながら登っていきます.

 

クラッククライミングには普通のクライミングとは違う「特殊な」技術が必要である.

 クラックを登るときには通常のホールドをもつ技術以外に「ジャミング(ジャム)」といった特殊な技術が必要になります.

 ジャミングとは,岩の割れ目であるクラックに手や足,場合によっては体全体をいれる技術のことです.しっかりとジャミングが決まったときにはホールドを手で持つよりも強い安定感があります.

 一般的にはクラックは岩場に特徴的なものですが,実は2021年の東京オリンピックではボルダーの課題でクラックを意識したホールドがありました.

東京2020 スポーツクライミング
東京2020 スポーツクライミング複合女子決勝のボルダー第3課題 出典:gorin.jp
クラックホールド
クラックを意識したホールド 出典:gorin.jp

 ジムでのクライミングでもこうしたクラックの技術というのは役に立つ場合があります.

ピート・ウィタカーのクラッククライミング

 クラッククライミングで必要な技術である「ジャミング」ですが,残念ながら通常のクライミングをしていて自然に身につく技術ではありません.またジムで練習しようと思ってもクラックホールドがあるジムはめったにないので岩場に行くしか練習する機械がありません.

 今まではなかなか習得が難しかった「ジャミング」ですが,今回紹介する「ピート・ウィタカーのクラッククライミング」ではその原理や体の使い方などをわかりやすく解説しているので,これからクラッククライミングをやる人も,すでにクラッククライミングをやっている人にもおすすめの一冊です.

書籍情報

題 名:ピート・ウィタカーのクラッククライミング
著 者:ピート・ウィタカー
訳 者:中嶋渉
出版社:山と渓谷社
出版年:2021年7月31日
価 格:3300円

内容紹介

 本書は全12章で構成されていてクラッククライミングの原則から始まり,フィンガークラック,ハンドクラック,フィストクラック,オフウィズス,スクイズチムニー,チムニー,ステミング,ルーフクラックについてクライミングの技術を細かく解説しています.残りの3章はギアのセット方法や装備,テーピングなどクラッククライミングに欠かせない要素について解説しています.

 一口にクラッククライミングといってもそのクラックの幅によって登る難易度は変わってきます.指しか入らない(あるいは指も入らない)クラックから体全体がはいるチムニーまで様々なシチュエーションで様々な技術が求められます.

クラッククライミング
ひとつのルートでもいろいろな幅のクラックが混在することもある

 本書の前半部分ではそれぞれのシチュエーションに応じて活用できる技術が沢山記載されています.

 特に競技でのクラッククライミングであるフィンガークラックからオフウィズスまでを解説している前半部分では,手および足のジャミング方法を図付きで解説したのちに,体の動かし方まで解説しており実際に本書を片手にクラックに行きたくなるような構成になっています.

 本書で一番最初にでてくるジャミングの方法が「逆手のフィンガークラック」になりますが,下の写真では本書に沿って実際の岩場でジャミングをしてみたものになります.

フィンガークラック
①逆手のフィンガークラック
フィンガークラック
②クラック内に人差し指~薬指をいれる
フィンガークラック
③クラックのラインに合わせるようにねじる

 なんとなくやってもきまることがあるジャミングですが,本書に沿うことでより安定感のあるジャミングを行うことができました.ジャミングの方法も教科書的な内容だけではなく,筆者の経験をもとにちょっとしたコツなども記載されていて明日から活用できるものになっています.

 また所々に挿入されている世界で活躍するクラッククライマーのインタビュー記事や写真は,今すぐにでもクラックに行きたくなる気持ちになります.

まとめ

 クラッククライミングに必要な技術であるジャミングですが,独学での習得はなかなか難しいものです.「ピート・ウィタカーのクラッククライミング」を参考にしてジャミングを習得しクラッククライミングを楽しみましょう!!

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