小川山のクラックというと何をイメージしますか?
小川山レイバックやクレイジージャムなどクラック四天王?
それとも蜘蛛の糸やイムジン河など三大クラック?
あるいはローリングストーンや流れ星といった最難クラック?
もちろんこれらは文句なく素晴らしいクラックです.でも,小川山にはほかにも素晴らしいクラックがたくさんあります.今回はそんな秀逸なクラックが集まっている兄岩について紹介していきます.
目次
小川山のクラシック・クラック
通称小川山と呼ばれる廻り目平周辺の岩場にはたくさんのクラックルートがあります.その中のいくつかは似たような特徴を持つルートを総称して呼ばれることもあります.ここではそのグルーピングされたクラックルートをいくつか紹介していきます.
クラック四天王
小川山のクラックといってまず思い浮かべるのがクラック四天王と呼ばれる4本です.
- 小川山レイバック
- カサブランカ
- ジャックと豆の木
- クレイジージャム
クラック四天王は,小川山レイバック,カサブランカ,ジャックと豆の木,クレイジージャムの4本が含まれており,いずれも小川山のクライミング史初期に開拓されたルートで,グレードも5.10台におさまる入門的な立ち位置です.
小川山でクラックをやるならまず触りたいルートです.

三大クラック
小川山クラック四天王の次に紹介するのが三大クラックです.これには蜘蛛の糸,イムジン河,バナナクラックの3本が含まれており,いずれも5.11台後半の登りごたえのあるルートです.
- 蜘蛛の糸
- イムジン河
- バナナクラック
小川山には5.11台前半の純粋なクラックが少なめで,クレイジージャム5.10dの次に5.11cかよ,と思うかもしれませんが,どのルートもきれいなフィンガークラックでフェイス技術も役立ちますのでもしかしたら案外登りやすいかもしれません.もちろん他のエリアで経験を積んでから挑戦するのもおすすめです.

最難クラック
純粋なクラックで小川山最難といわれているクラックが2本あります.それが流れ星とローリングストーンです.
- 流れ星
- ローリングストーン
いずれも小川山クラックの最終目標となるような難しさ,充実度をもつルートで日本を見渡してもこれほど素晴らしいクラックはなかなかお目にかかれません.

小川山のクラック天国 兄岩
さてここまで小川山の名クラックを紹介してきましたが,実はあまり日の目を見ていない(?)だけで他にも素晴らしいクラックは沢山あります.
その中でも幅広いグレード帯で質の良いクラックルートが集まっている岩場が兄岩です.
兄岩と言われてまずクラックをイメージする人はあまり多くはないでしょう.有名ルートでいえばアルパイン少女マミ,サマータイム,スケアクロウ,ピクニクラ,森の緑にかこまれてなどなどたくさんあります.ですがこれに負けないくらい充実するクラックもあるのでここで紹介していきます.
ルート紹介
ここからは兄岩にある主だったクラックルートを紹介していきます.
金太郎 5.9
金太郎はマイナー中のマイナールートですが登ってみると案外楽しめます.
兄岩2階へ行く途中,西面の右端にある10mほどコーナークラックです.クラックのサイズはジャミングの難しい#0.5サイズですが,左右の壁に豊富なスタンスがあり兄岩で一番易しいクラックです.
八王子ルート 5.10a
八王子ルートは2Pで構成されますが,2P目は継続性も悪く1P目だけ登られることも多いです.その1P目ですが,十分な長さがありクラックもきれいでクラック四天王にも負けない魅力を持つルートなので1P目だけでも登る価値は十分にあります.

チムニー登りで下部をこなし中間部のテラスでレストを挟んだ後にきれいなコーナーを登ります.傾斜も強く思いのほか奮闘的な登りになります.
Sunday 5.10a
Sundayは八王子ルートから下記で紹介するめおとクラックのカンテを挟んださらに左にあるコーナークラックです.

確実なジャミングが求められるフィンガークラックの先には小ハングがあり,その先は快適なハンドジャムが続いています.短いながら内容は濃く充実するルートです.
マガジン 5.10a
マガジンは兄岩2階にあるきれいなコーナークラックでフィンガージャムがよく利き,フィンガーサイズのクラックでは入門的な立ち位置です.歩いて取付きまで行くのが普通ですが,八王子ルートの1P目から継続して登るととても面白いマルチピッチになります.

取付きはやや不安定でバランスを崩すと大変なことになるのでセルフビレイをとってのビレイを推奨します.
ナツコのナッツ 5.11c
ナツコの”ナッツ”というインパクトのあるネーミングですが,実はナッツなしでも登れます.カムがよく利きます.中間部にはボルトが打たれています.見た目通り核心はハング越えですが,裏の核心は上部のスラブです.
どうですか?これだけでだいぶ取付きやすくなりませんか?

30mとロングスケールのルートで,出だしのスラブクラックからハング越え,垂壁,カンテ,スラブと変化に富んでおり楽しめます.中間部からはオールボルトなので安心して登ることができます.
めおとクラック 5.12a
八王子ルートを登ったときに左に2本細いクラックがあるのが気になることでしょう.この2本は見た目通り手強いクラックでいずれも短いながら登りごたえがあります.一方でフェイス的な要素も多く5.12台のクラックでは比較的登りやすいので最初の5.12クラックやオンサイト狙いに登るのもありかもしれません.

めおとクラックは2本あるクラックのうち左にあるクラックです.下部はプロテクションの取りにくいシンクラックにカムをきめながらカンテを登ります.レストポイントを挟んで上部もシンクラックが続きますが,ここからはボルトが3本続きムーブもフェイス的になってきます.核心が終わった後に再びカムが1つか2つ必要になります.
ちなにみこのルートの開拓は大岩あき子氏,すぐ隣のボルトルートめおとカンテ5.13aの開拓は夫の大岩純一氏となっておりこれが名前の由来となっています.
おじゃま虫 5.12b
おじゃま虫はめおとクラックと八王子ルートの間にある,これまたシンクラックです.八王子ルートのクラックおよび右壁は限定となりますが,ムーブを組み立てるとあまり気になりません.

下部はめおとクラックと共通でレストポイントを挟んでからが本番です.こちらもめおとクラック同様,フェイス的なムーブになりますがうっすらと前傾しており短いながら登りごたえがあります.
まとめ
兄岩はアプローチも近く,ルート本数もたくさんあります.あまりクラックのイメージはないかもしれませんが,実は質の高いクラックルートが集まっている岩場でもあります.
たまにはスポートルートではなくカムを携えて兄岩を訪れてみてはいかがでしょうか?







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