瑞牆十一面岩末端壁|5.11クラックを登ってクラック中級者を目指そう!

トラッドクライミング
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 「トラディショナルクライミング」

 カムデバイスをはじめとするナチュラルプロテクションを使いながら壁を登るクライミングで,多くはクラックシステムを利用するためクラッククライミングとも呼ばれます.ボルトの技術が今ほど確立していなかった時代にはじまったフリークライミングの伝統的な姿です.そんなトラッドクライミングが昨今再び人気を集めており,瑞牆,小川山,湯川,城ケ崎などのエリアを中心に多くのクライマーが楽しんでいます.

 クラッククライミングではジャミングというスポーツクライミングではあまり用いない特殊な技術を必要とし,経験が乏しければ5.13クライマーでも5.9のクラックに全く歯が立たないこともあります.スポーツルートで5.11を登るのと,クラックで5.11を登るのでは全く難易度が変わってきます.5.11のクラックは中級者への登竜門となるでしょう.

 今回はそんなクラッククライミングのスキルアップに最適なエリアである瑞牆山の十一面岩末端壁にあるルートを紹介していきます.

十一面岩末端壁の特徴
  • 日本を代表するクラックが集まる
  • 海外にも通じるロングルートがある
  • 中級クラックが集まっておりクラックのステップアップに最適
  • 風の通り道となっており乾きがよい
  • 取付きも広く居心地がよい

十一面岩末端壁

 瑞牆山は言わずと知れた国内有数の花崗岩クライミングのビッグエリアです.同じ花崗岩のビッグエリアである小川山が明るくて入門的なルートが多いのに対して,瑞牆は沢筋のうっそうとした感じでクラックや渋めのルートが多い印象を受けます(もちろん瑞牆にも人気ルートは山ほどある).

 クラックの多い瑞牆において特に上質なクラックが集まっているエリアが十一面岩末端壁になります.日本を代表するルートである「春うらら」や入門トラッドマルチである「調和の幻想」,末端壁最難である「フリーダム」など数

多くの名ルートがそろっています.

 そんな末端壁ですが5.10台後半から5.11台のクラックがそろっておりクラック中級者を目指す人にとっては最適のエリアです.小川山四天王と言われる「小川山レイバック」「カサブランカ」「ジャックと豆の木」「クレイジージャム」のうち「クレイジージャム」にトライするくらいのクラック経験があれば末端壁も十分楽しめることでしょう!!

ルート紹介

 ここからは末端壁のルートを紹介していきます.本当は全部紹介したいところですが,

調和の幻想1P目 5.9/T&T 5.10d

 調和の幻想は末端壁にあるクラックマルチピッチルートです.グレードは5.10aまでにおさまり末端壁の中でも最も優しいルートです.1P目はワイドクラックであり,末端壁でのアップにはもってこいかも?別のページで調和の幻想について紹介しているので参考にしてください.

 調和の幻想1P目の左にある細いクラックがT&Tです.ぱっと見ジャミングできるのかというくらい細いですが,実際に取付くとフィンガー~リングロックがしっかりきまる幅になっています.5.10dというグレードですが,傾斜もあり短い分悪くなっています.フィンガーより広く,シンハンドより狭いリングロックの練習にはもってこいのルートです.テラスから取付くのが正規ですが,下のハンドのコーナーから取付くとより一層充実することでしょう.

ペガサス 5.10d/トワイライト 5.11c

 ペガサスは2Pに分けられるルートですが,2Pリンクすることで50mの超ロングルートに生まれ変わります.1P目は5.10cという取付きやすいグレードですがのワイド気味の部分は苦しいクライミングになります.うまくステミングを使いながら登っていきましょう.2P目はやや前傾した綺麗なハンドクラックが続き超おすすめです!最後にワイドクラックが待ち構えていますが,手前の灌木(腐っている?)で終了とすることもできます.せっかくならワイドギアをもって横断バンドまで上がってみましょう!!

 ペガサスの左にある前傾したワイドクラックがトワイライトです.瑞牆に21本しかない四つ星ルートの1本です.見た目通り中間部のワイドが核心です.そのあとも傾斜に耐えつつお昼寝テラスまで上がります.トワイライトから春うらら2P目をテラスに立たずに継続すると「ウォーク・オブ・ライフ(5.12b)」という末端壁最長の60mルートになります.

アストロドーム 5.11a

 アストロドームは末端壁でも人気ナンバーワンのルートで,5.11クラックの登竜門です.ハング下にあるダブルクラックで,5.10台ではあまり経験することのない効きの悪いシンハンドのジャミングで耐えながら登っていきます.2本のクラックやクラック外のスランスをどうつないでいくかが完登のカギになります!

春うらら1P目 5.11b/2P目 5.12a

 おそらく瑞牆で一番有名なクラックが春うららです.1984年に2P目が完登されてから40年近くたつ今も色あせることのない名クラシックルートです.2Pからなるルートで2P目の5.12aはもちろんのこと,1P目の5.11bも侮れない厳しさがあります.

 1P目はマイクロカムで出だしのボルダ―ムーブをこなしたあとは大きいホールドでぐいぐいと高度を上げてチェンジングコーナーと呼ばれる核心部に突入します.誰がやっても悪い幅のクラックになんとかジャミングを決めて,きわどい足さばきで体を上げると快適なコーナークラックです.ジャミングを交えつつレイバックで長い長いコーナーを登りきるとお昼寝テラスに到着しようやく1P目終了です.気が付けば30mも登ってきており,60mロープでギリギリ地上まで下りられます.

 2P目はお昼寝テラスから厳しいフィンガーでスタートします.ルート自体の難しさももちろんのことですが一番の核心はやっぱりパートナーでしょうか?

鷲 5.10d 改め 5.11c?

 春うららの左にひっそりと佇んでいるのがと呼ばれるルートです.でだしに3本ほどボルトがあり,あとはこちらも延々と続くコーナークラックです.もともと5.10dでしたがフェイス部分のホールだがかけたこともあり?現在は5.11c程度とされることが多いようです.

 このルートは不遇のルートでクラックに草が生えたり濡れたりして登られることがほとんどなかったようですが,再生の試みもあり現在は普通に登ることもできそうです.まるで過去からタイムスリップしたような名ルートを登ってみてはいかがでしょうか?

まとめ

 これだけ上質なクラックルートがそろっているのも瑞牆広とは言え末端壁くらいです.最初は手ごわく感じるかもしれませんが,末端壁でトレーニングをすればきっとクラック中級者になれることでしょう!

ルートの難易度があがると必ず出てくるのがフィンガーサイズのクラックです.その時に必要なマイクロカムではキャメロットZ4が圧倒的におすすめです!

末端壁をはじめとする十一面岩のルートが網羅されているクライマー必携のトポです!!

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