登り忘れていませんか?名張の渋面白いルート紹介|筆者おすすめの5本!

スポーツクライミング

 筆者が好きなクライミングエリアに”名張”と呼ばれるエリアがあります.ローカルなクライマーに守られてきたエリアで質の高いクラックルートが集まっています(中にはワールドクラスのものも!!).こんなにも質の高いルートが,こんなにもコンパクトに集まっているエリアは他に訪れたことがありません.クラックを嗜むクライマーであれば国内外問わず訪れてほしい岩場です.

 そんな名張ですが,実は筆者は残念に思うことが一つあります.それはルートによって人気の偏りがある!ということです.もちろんこれは名張に限ったことではありませんが….筆者は人気ルートを待っている人をみて「ほかにもいいルートあるのに…(´ω`)」とついつい思ってしまいます.

 筆者は名張のルートを60本ほど登っていますが,その中には派手さはなくても魅力的がたくさん詰まったルートがとても多いです.今回はその中から厳選して5(+1つ)を紹介していきます!

名張の渋面白いルート5(+1)選!!
  • ジャングルジム …まさに日本のPerspective(←スコーミッシュの看板ルート)
  • L-craftsman …名張で一番短い5.12(当社調べ)
  • FOX CRY …クラッククライマーには登攀対象には見えないかも?
  • RS …名張屈指のフィンガークラック!
  • ヤンコマリタイ …ばちばちフィンガー!核心が10mあれば5.12だったかも!?
  • Sky Crawler …空を登る爽快マルチピッチ

王道ルートだけが名張ではない!

 名張のルートを思い浮かべた時に必ず挙がるものとして”いかさま師”や”ゴジラパワー”,”モスラパワー”などがあると思います.これらのルートはロケーションや見栄えもよく,長さもあって,それぞれのグレード帯で程よい困難さがあって登った時に心地よい達成感を味わうことができる素晴らしいルートであることは間違いありません.『王道』や『花形』,『主役』という言葉がふさわしいルートです.

 一方で名張には100本を超えるルートがありますが,その中にはこれら以外にも素晴らしいルートがたくさんあります.しかしながらこの中にはあまり登られていないルートもあり,苔が生え,塵が積もり自然にかえってしまったようなものも少なくはありません.

 魅力がたくさん詰まったこのエリアにおいてその一部だけが脚光を浴びているのは名張好きのクライマーとしては少し残念です.

”渋さ”こそ現代の魅力である

 ところで日本語の中には日本独自の文化に根付き,英語では表現しにくいような概念がいくつかあります.代表的なものとして”わびさび”があり,これは英語でもそのまま”wabisabi”と言い表します.”渋い”という概念もその一つです.

 渋い … はででなく落ち着いた趣がある。じみであるが味わい深い

デジタル大辞泉

 日本人であればこの”渋い”という言葉はしっくりと来ると思います.むしろ”派手さ”よりもこの”渋さ”を好む人の方が多いかもしれません.

 そして名張にもそんな”渋い”ルートが存在しています.

渋面白いルート 筆者のおすすめ5選

 ここからは名張のルートを60本登った筆者が派手さはないが面白みのあるルート,つまり”渋面白い”ルートを5つ紹介していきます.

ジャングルジム 5.11a 屏風岩

 最初に紹介するのは屏風岩にある”ジャングルジム”というルートです.このルートは人気ルートであるサーフライダー,入門,ミニラのある石柱のひとつ奥にあります.立地的にも少し奥まったところにあるせいかあまり登っている人を見た事ありませんが,長さも30m近くあり,内容的にも素晴らしいです.

 話は少し変わりますが,カナダにあるスコ―ミッシュというエリアにPerspectiveというルートがあります.このルートはスコ―ミッシュで最初に登られた5.11と言われており,初登から50年以上たった今も人気のルートです.

 筆者はスコ―ミッシュに訪れた際にこのPerspectiveを登り,ジャングルジムを思い出しました.雰囲気,構成ともにそっくりで,”Japanese Perspective”といっても過言ではない気がします.

L-Craftsman 5.12a 屏風岩

 次に紹介するルートは”L-craftsman”です.このルートは名張にある5.12の中で一番短いルートになっています.それどころか全グレード帯をみてもこれより短いルートは数少ないです.いわゆる『短しい系』に入ってくるものかもしれません.

 ぱっと見はクラックが細く,マイクロナッツやボールナッツなど怖いプロテクションしか取れないと思いきや,登ってみると案外大きいカムがきまります.内容は純粋なジャミングだけではなく,カンテムーブやステミングなどフェイスチックな技も求められます.逆にいうとフェイスが得意な人には名張の中では登りやすい5.12かもしれません.トップロープがかけやすいのも安心です.

FOX CRY 5.11c 第一岩壁

 ”FOX CRY”は第一岩壁の2階右方にあるルートで,これなんですかや高田やなどと並んで小ハングを有しています.ただ核心は出だしになっており,小ハングを含む中間部以降はジャミングがよくきまり快適なクライミングを楽しめます.

 核心となる出だしは,名張の特徴の一つであるシンクラックにマイクロプロテクションをきめて登る必要があります.ムーブもかなり独特で,もしかしたらクラッククライマーには登攀対象とには見えないかもしれません.

 かなり個性の強いルートですがメリハリがあって非常に面白いです.

RS 5.11c 第一岩壁

 ”RS”は名張の数あるルートの中でも筆者が好きなルートベスト3には入ります.好みもあるけれど,たぶんこのルートはモスラパワーよりおもしろい...でもなぜか登っている人はあまり見かけません(そもそも第一岩壁にくるクライマーがそんなに多くない..(´・ω・`))

 途中のテラスが少し残念ですが,テラスからはきれいなフィンガークラックを真っ向勝負のジャミングで登っていきます.最後はひとくせありますがそれもこのルートの魅力でしょう.プロテクションもいいのでもっと多くのクライマーに登ってもらいたいです.

ヤンコマリタイ 5.10d 第一岩壁

 ”ヤンコマリタイ”も素晴らしいルートです.でだしはRSやでかいつらと共通で,途中から左にトラバースして入る核心は#0.2-0.3サイズのフィンガークラックです.もし10mくらいの長さがあれば5.12はあるんじゃないかな?と思わせる厳しさを持っています.

 なんか名前がしっくりこない感がありますが,第一岩壁では数少ない地上から取付けるルートでありライトに楽しむのもいいでしょう.

番外編

 ここまでは名張の渋面白いルートを紹介してきましたが,番外編としてもう一つ紹介します.ここで紹介する”Sky Crawler”は厳密には名張のルートではなりませんが,実質的にはほとんど名張です.

Sky Crawler 5.12‐ 小太郎岩

 名張の柱状節理を通り過ぎて香落渓を奈良に向かって進んでいくと『ライオンハング』と呼ばれる岩壁が姿を現します.”Sky Crawler”はこの壁をフリークライミングで登ことができる唯一のマルチピッチルートです.

 5.11後半から5.12のマルチピッチで元々エイドで登られた壁の弱点を絶妙についており,素晴らしいの一言に尽きます.オールボルトのフェイスルートなので純粋にフリークライミングに集中できますし,途中敗退も容易なので,少々背伸びしたグレードであってもぜひとも触ってみて欲しいルートです.このルートが登られないなんてもったいない!!瑞牆に行っている場合はないですよ!!

渋いは面白い

 以上,名張の渋面白いルートを紹介してきました.もちろんいかさま師も素晴らしいし,モスラパワーは面白い,ゴジラパワーの達成感は半端ない.でも他にも面白いルートが沢山あります.もっとディープな名張をエンジョイしましょう!

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