こんにちは!にわかアルピニストです.車のフロントガラスが凍る日も多くなってきてそろそろ冬の予定を考える時期ですね!
ところで皆さんは冬のアクティビティのひとつである冬壁をやりますか?もしやるならどんなところに行くことが多いですか?
今回は筆者がよく利用している冬期クライミングエリアを紹介していきます.いずれもゲレンデ的な立ち位置にあり普通の週末でも気軽に訪問することができる素晴らしいエリアです!
- 南八ヶ岳西面 …安心と安定のど定番!
- 錫杖岳 …無限に遊べる最強冬壁エリア!
- 宝剣岳 …ロープウェイで楽々アプローチ.お手軽日本アルプス冬壁!
- 御在所 …もはや殿堂入り!
目次
冬期クライミング
冬期登攀,冬壁,ウインタークライミング,アルパインクライミング,冬季バリエーシ ョンなどいろいろな呼ばれ方をする冬期クライミングですが,全体的にハードなものが多い冬のアクティビティの中でもかなり大変な部類に入ると思います.それでも厳しい寒さの中,険しい壁を登ったときの悦びは何物にも代えがたくこの手のクライミングを愛好する人は少なくありません.

冬期クライミングは日本各地で楽しむことができますが,日本アルプスなどの標高が高く積雪量も多い山は特に魅力的です.しかしながらこれらの山域はアプローチに時間がかかり,クライミングもハードとなり社会人クライマーにとってはややハードルが高くなります.
そんな時に重宝されるののがアプローチが短く,登りやすく,内容も充実するといった三拍子揃うゲレンデ的なエリアになります.これらは比較的お手軽なエリアですが,ここでしっかりと経験を積めば先々は厳冬期の日本アルプスなどハードなもの,そしてのその先にはヒマラヤなどの海外高所でのクライミングへの挑戦も夢ではありません(たぶん).
ここからは筆者の推しゲレンデを3つ(?)紹介していきます!

推し① 南八ヶ岳西面
最初に推させてもらうのが南八ヶ岳西面のエリアです.定番中の定番で多くのクライマーが冬になると訪れハイシーズンだと赤岳鉱泉の宿泊者が200人近くなることもあります.
冬期クライミングの対象となるのは横岳と赤岳の西面の尾根や阿弥陀岳の四方に伸びる尾根です.そのほかにも各ルンゼには氷が張りアイスクライミングのゲレンデとしても人気が高いです.

推しポイント
南八ヶ岳西面の推しポイントは以下の通りです!
- 赤岳鉱泉という最強のベースキャンプ
- ほとんどのルートが日帰りで登れる
- 易しいものから難しいものまで幅広いグレード感
それぞれについて解説していきます.
赤岳鉱泉という最強のベースキャンプ
南八ヶ岳西面には1年を通して営業している赤岳鉱泉という山小屋があります.このエリアのバリエーションルートの多くはここから1時間ほどでアプローチすることができます.
赤岳鉱泉は規模も大きく暖房設備もしっかりとしていて寒い時期でも快適に過ごすことができます.診療所があるのも安心です.名物である夕食のステーキはとてもおいしくこれ目当てで小屋泊するクライマーもたくさんいます.

ほとんどのルートが日帰りで登れる
八ヶ岳は3000m近い高さをもつ山ですがベースの赤岳鉱泉も2220mに位置しており稜線までの標高差は5-600mほどです.またルート自体の雪稜部分はロープを出さずにも登れるため,このエリアのルートは基本的にはすべて日帰りで登ってベースまで帰ってくることができます.健脚であれば駐車場からでも日帰りで登って帰ることが可能です.
易しいものから難しいものまで幅広いグレード感
八ヶ岳には20本ほどのバリエーションルートがあり,その中には易しいものから難しいものまでいろいろなルートがあります.簡単なルートであれば初めてのアルパインクライミングでも行けるでしょうし,難しいものはドライツーリング的な登りが求められるものもあります.この幅広いグレード感も八ヶ岳の魅力です.
【おすすめルート】 大同心北西稜
筆者のおすすめルートは大同心北西稜です.大同心は尾根ルートの多い八ヶ岳で数少ない本格的な岩壁です.無雪期の一番人気は雲稜ですがこれは冬期にはとても難しいです.雲稜よりも一段階易しいのが北西稜で全7ピッチに渡るロングルートで大同心のピークまで抜けることができます.

推し② 錫杖岳
錫杖岳は日本100名山のひとつである笠ヶ岳の南側にある2168mの山です.様々な岩壁,尾根,ルンゼなどが登攀の対象となっていますが,その中でも前衛壁と呼ばれる岩壁は冬壁のゲレンデとして人気が高いです.
八ヶ岳が尾根ルートが多いのに対して,こちらは言葉の通り”壁”を登ります.

推しポイント
錫杖岳の推しポイントは以下の通りです!
- ベースまで新穂高から2時間程度の近さ
- 傾斜が強く手強いライン
- 全天候型エリア
それぞれについて解説していきます.
ベースまで新穂高から2時間程度の近さ
錫杖岳はベースである錫杖沢出合までトレースがあれば2時間ほどでアプローチできます.ラッセルがあると半日かかることもありますが,このくらいのアプローチの時間で本格的な冬期クライミングができるエリはなかなかありません.
傾斜が強く手強いライン
錫杖岳の一番の魅力はその登攀内容です.無雪期にもアルパインクライミングのゲレンデとして人気ですが,冬期には無雪期の人気ルートに加えて,冬にしか登れないルートも姿を現します.傾斜が強くアックスでのフッキングやトルキングをふんだんに使って登るまさに”冬壁”です.岩壁あり,雪壁あり,アイスありのなんでもござれで,基本的なラインはあるものの自分で弱点を探して登っていきます.
全天候型エリア
大きな山になればなるほど雪崩や吹雪などの外的なリスクが高くなり,天候のための敗退という可能性も高くなります.ですが錫杖岳はどんな天候でも登ることができます.標高がそれほど高くなく,アプローチも樹林帯を歩くため雪崩のリスクを下げることができます.加えて錫杖に多い内面登攀ではどんな吹雪の中でも登ることができます.
【おすすめルート】 1ルンゼ左
錫杖岳のルートは魅力的なものが沢山ありますが,その中で一つをあげるのであれば1ルンゼ左になります.1ルンゼ左は冬ならではの要素もありつつ,ちゃんとしたクライミングも楽しめます.また内面登攀が多い錫杖においては開けたルートで気持ちがいいです.

推し③ 宝剣岳
3つ目の推しは木曽駒ケ岳の並んで中央アルプスの主峰である宝剣岳です.宝剣岳といえば中央アルプスロープウェイの千畳敷駅からカールを見上げると一番最初に目に入る険しい山です.アプローチのしやすさに対してその険しさは随一で頻繁に滑落事故が起きてしまうような山です.
そんな険しい山なので当然冬期クライミングをする側からしてみれば垂涎物のエリアになります.

推しポイント
宝剣岳の推しポイントは以下の通りです!
- ロープウェイでアプローチできる
- 3000m級の本格的なクライミング
- 節理が発達しており自由なライン取り
それぞれについて解説していきます.
ロープウェイでアプローチできる
3000m級の日本アルプスと言えば1日あるいは数日かけてアプローチして別日に登攀するというのが一般的です.ですが宝剣岳は2900m超の稜線にロープウェイを使えば2時間ほどでアプローチできます.
3000m級の本格的なクライミング
そしてその快適なアプローチでたどり着いた稜線は,そうはいっても3000m級の稜線です.厳しい風雪に煽られ極寒の中登ると自然の厳しさを思い知らされます.
節理が発達しており自由な取り
宝剣岳の西面は”ミニ滝谷”なんて言われることもある険しい岩壁です.ただ花崗岩の節理がよく発達いており,一見難しそうなラインでもプロテクションがとれるため攻めた登りをすることができます.また歩きの山としては人気なのに八ヶ岳などと比べると岩場に訪れる人は少なく残置物が少ないのも魅力のひとつです.
【おすすめルート】 極楽尾根
筆者のおすすめは極楽尾根です.宝剣岳西面の中で一番大きな尾根で途中に岩壁も有しています.クライミング要素が強い宝剣岳のルートの中でルートファインディングなどアルパイン要素が強いルートになります.三角岩壁の登攀もなかなか手強いです.

推しというのもおこがましい.殿堂入りの御在所
3選と称してここまで3つの推しエリアを紹介してきましたが,もう一つだけ紹介させてください.それは御在所岳です!ただこのエリアは推しというのもおこがましいくらい素晴らしく,もはや殿堂入りです.
御在所はいいぞ
御在所は鈴鹿山脈に位置する標高1212mほどの山で,これまで紹介した山に比べると小ぶりです.ですがとある界隈では「御在所はいいぞ」という言葉が大流行しているようにその魅力を語ろうとすれば夜が明けてしまいます.

日本の冬期クライマーたちが集まるWCM(ウインタークライマーズミーティング)が開催されたことがあることからもわかるように冬壁というジャンルでもその実力は発揮されます.
【おすすめルート】 中尾根
筆者のおすすめルートは中尾根です!尾根とは名ばかりで連続する岩峰・岩壁を登ります.弱点をついた内面登攀ですが傾斜も強く,ルートの大部分を占めるクラック主体はアイゼン・アックスではとても手強いです.
わざわざ雪のある時期に行かなくても,,,と思う人もいるかもしれませんが雪のついた中尾根はいつもとは全く違う表情をしていますよ!

そうだ 冬壁、行こう。
今回紹介したエリアはいずれも冬期クライミングのゲレンデ的な立ち位置にあります.これらのエリアで経験を積めば槍や穂高,劔や北岳などの大きな山の壁にもきっとつながっているはずです!ぜひ足しげく通ってみてください!










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