クライミングにおいてグレードは一つの要素でしかなく,「グレードを追い求めるクライミングってどうなの?」的な意見を耳にすることはありますし,たしかに理解できる部分も大いにあります.
それでも多くの”一般的な”クライマーにとってグレードというものは追い求めたいものですし,節目となるグレードを登りイレブンクライマーやトゥエルブクライマー,サーティーンクライマーになれた日の夜は宴会となるでしょう.
今回の記事ではその”グレード”の中でも,意外と少ないが実はそれほどハードルが高いわけでもないクラックの5.12というグレードに着目し,比較的登りやすくはじめての5.12におすすめなルートを紹介していきます!!
目次
トゥエルブクライマー
クライミングにおいてグレードは一つの要素でしかありませんが,目標を設定するにおいては非常にわかりやすいものだと思います.特に数字が変わるグレード(5.10a,5.11a,5.12a,,,)が登れた時の喜びはひとしおです.
”一般的な”クライマーにおいて中級者と呼ばれるのが5.11だとしたら,上級者と一目置かれるのが5.12なのかもしれません(もちろんここに関してはいろんな意見がありそうですが).また別の視点から見ると「5.13は誰でも登れるものではないけれど,5.12はしっかりと岩場に通えば多くの人がそのうち登れる」といったイメージもあり(少なくとも僕は),ちょうど目標にしやすいグレードなのかもしれません.

とにかく5.12という数字は魔性の数字なのです.
クラックの5.12を登るクライマーは案外少ない?
そんな5.12というグレードですが,スポートルートで登ったという人はそれなりにいるのにクラックになると一気に人数が減る気がします.

もちろんこれにはクラックの5.12がスポートと比べると少ないことや,そもそものクラック人口が少ないことも関係しているとは思いますが,筆者の勝手なイメージだと10倍くらい差がある気がしています(盛りすぎ?だれかアンケートとってください!).
筆者はクラックが好きなのでもっとクラックを登る人が増えてほしいですし,「クラック好きをそんな変な目で見るなよ」とか「もっとクラックについて語ろうぜ!!」と日々思っています.ということでここからは普及活動の一環として比較的登りやすい(言葉を選ばなければ”お買い得”)5.12のクラックルートを紹介していきます!!
はじめての5.12のクラックのおすすめルート5選
そんなにたくさんの5.12のクラックを登っているわけではありませんが筆者が登った中で「これは登りやすいな」と思ったルート5選です!!(個人的にはクラックの5.12ってフェイスの5.12よりムーブは簡単なやつが多い気がするんだけどなー)
文武は両道【瑞牆】
”文武は両道”は瑞牆のカサメリ沢にあるルートです.「カサメリ沢にクラック?」と思う方もいるかもしれませんが実はあるんです!!30mの長さがあるルートで最初から最後までずっとクラックが続き充実します.

- 岩質:花崗岩
- 傾斜:垂直
- サイズ:フィンガー~ワイド
- タイプ:デリケート
- 核心:フィンガー
- おすすめポイント:核心部は適度に難しいが他の部分は比較的易しい
このルートは核心部はそこまで長くなく核心以外は比較的快適に登れます.核心部のフィンガーはそれなりに細いですが,1グレード下のイムジン河の核心に似たような感じで,難しさも同じくらいな印象を受けます.なのでイムジン河を登れた人であればこの課題はあまり苦労せずに登れるんじゃないかなーと思いはじめての5.12クラックとしておすすめさせていただきます!
めおとクラック【小川山】
次におすすめするのは小川山にある”めおとクラック”というルートです.大岩あき子氏によって初登されたルートで,対をなすルートに夫である大岩純一氏が登った”めおとカンテ”があります.

- 岩質:花崗岩
- 傾斜:垂直
- サイズ:フィンガー
- タイプ:フィンガリー
- 核心:フェイス
- おすすめポイント:核心部はフェイスかつボルト
その名の通り顕著なクラックを登りますが,核心である上半分はきれいなクラックというより溝に近い形となっており,これらを使ってフェイス的に登っていきます.このクラックの閉じた部分にはカムはきかせづらいですが,ボルトが打たれているので安心です.
核心のムーブが易しいというわけではないですが,かといってフェイスの5.12ほどあるかと言われるとそれよりは易しい気もしていて,フェイスが得意な人であればそこまで苦労せずに登れるのではないかなーと思い今回のおすすめとさせていただきました.
マリオネット【城ヶ崎】
ここまで花崗岩のルートを2本紹介してきましたが次は少し毛色が変わって城ヶ崎のルートを紹介します.筆者が最初に登ったクラックの5.12でもある”マリオネット”です!!

- 岩質:安山岩
- 傾斜:前傾
- サイズ:ハンド,チムニー
- タイプ:ストレニュアス
- 核心:前傾シンハンド
- おすすめポイント:傾斜は強いがホールドはガバとガバハンド
このルートは杉野保氏の伝説の連載「OLD BUT GOLD」にも取り上げられた1本でありその名を聞いたことがある人は多いかもしれません.このルートのどこがおすすめかというと,実はこのルートのホールドにはガバとハンドジャムしかないんです!!
「そんなわけあるか!」と思った方,残念ながらこれは紛れもない事実です.ですがその勘は当たっています.ホールドがいい代わりに傾斜がとんでもないことになっています.いわゆるルーフクラックと言われる部類に属しており135度ほどの強傾斜がこのルートの特徴です.城ヶ崎特有の3Dムーブは確かにクセがありますが,ホールドはよく比較的登りやすい5.12だと思います.
雄鹿が鳴くと雨ずらよ【桐生辻】
筆者が触ったことのある5.12のクラックで一番易しいと感じたルートがこの課題です.滋賀県にある桐生辻と呼ばれる岩場にあるルートでその短さからボルダーとしても登られています.

- 岩質:花崗岩
- 傾斜:前傾
- サイズ:シンハンド~ワイドハンド
- タイプ:高強度の核心
- 核心:前傾ハンド
- おすすめポイント:核心一手もの
前述のマリオネットも前傾していますが,クラック以外のホールドが使えないという点において核心の強度はこの”雄鹿が鳴くと雨ずらよ”の方が高くなっています.ですがこれは正真正銘の一手もので核心の次の一手が取れてしまえば終わったも同然です.できる人には「あれ?」と思うくらい簡単ですが,できない人はドツボにはまるそんな課題です.
エアウェイ【瑞牆】
最後におすすめするのは再び瑞牆にあるルートです.

- 岩質:花崗岩
- 傾斜:垂直,ハング
- サイズ:フィンガー~ハンド
- タイプ:フィンガリー,ややストレニュアス
- 核心:フェイス
- おすすめポイント:核心はフェイス
”エアウェイ”は5.11クラックの登竜門である”アストロドーム”の終了点からさらに上部のフェイスを登り最後は”春うらら1P目”に合流しお昼寝テラスまで伸びるルートです.
”エアウェイ”のオリジナル部分は完全にフェイスで高度感のある中をフィンガリーなムーブで登っていきます.核心部分はやはりフェイスの5.12と比べるとやや易しく,どちらかというと総合的な評価で5.12が付いている印象を受けます.ムーブというより戦略で攻略していくような構成になっています.何より瑞牆屈指の映えルートなのでクラック最初の5.12にもおすすめの1本です.
まとめ
クラックの5.12というとなかなか手強いイメージがあるかもしれませんが,登りやすいルートもたくさんあります.ぜひ挑戦してみてください!!








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